学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0566

理由で解く 解剖学

Q0566 神経系

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題31
問題
求心性伝導路に含まれないのはどれか。
選択肢
1 脊髄網様体路
2 外側脊髄視床路
3 皮質延髄路
4 後索路
解答
正解3(皮質延髄路)
解説
✗ 1.
脊髄網様体路
✗ 正しい。 脊髄網様体路は脊髄から脳幹の網様体へ向かう上行性(求心性)伝導路で、侵害受容情報や非特異的な体性感覚を網様体賦活系に送り、意識・覚醒や痛みの情動的側面に関与する。脊髄から脳へ向かう方向のため求心性に含まれる。
✗ 2.
外側脊髄視床路
✗ 正しい。 外側脊髄視床路は痛覚・温度覚を伝える代表的な上行性(求心性)伝導路である。末梢の自由神経終末→脊髄後角(2次ニューロン)→対側へ交叉→外側索を上行→視床(3次)→中心後回の体性感覚野、という経路をたどる。明確な求心性伝導路。
✓ 3. 誤り
皮質延髄路
皮質延髄路は大脳皮質運動野から延髄の脳神経運動核へ下行する「下行性(遠心性)」伝導路で、錐体路の一部をなす。顔面・咀嚼・咽頭・舌の骨格筋を支配する脳神経の運動核(顔面神経核・三叉神経運動核・疑核・舌下神経核など)に運動指令を伝える経路であり、情報の流れは大脳皮質→脳神経核(中枢→末梢)である。したがって中枢へ情報を集める「求心性伝導路」には含まれない。錐体路は脊髄に至る皮質脊髄路と、脳神経核に至る皮質延髄路に分けられる、という構造を押さえておけば本問は確実に正解できる。
✗ 4.
後索路
✗ 正しい。 後索路(長後索路)は触圧覚・深部感覚(筋紡錘・腱紡錘からの固有感覚)を伝える上行性(求心性)伝導路である。脊髄神経節→脊髄後索を同側上行→延髄後索核(2次ニューロン)→対側交叉→内側毛帯→視床(3次)→中心後回体性感覚野、という経路をとる。
ポイント
  • 皮質延髄路は大脳皮質→脳神経運動核へ向かう下行性(遠心性)伝導路で、錐体路の一部。
  • 覚え方のコツ: 「〈皮質〉から出る路はすべて下行(遠心)」「〈脊髄〉から出る路は上行(求心)」と起点で判別する。
  • 関連知識: 錐体路=皮質脊髄路+皮質延髄路。皮質脊髄路は脊髄前角細胞へ、皮質延髄路は脳神経運動核(V・VII・IX・X・XI・XII)へ投射する。
  • よくある間違い: 名称に「脊髄」が入る皮質脊髄路と皮質延髄路を「脊髄由来」と誤解して求心性と判断してしまう。起点は「皮質」であることに注意。
  • 臨床応用: 皮質延髄路の障害(核上性麻痺)では顔面下部の麻痺・構音障害・嚥下障害などを生じ、両側性障害では偽性球麻痺となる。
比較表
伝導路 方向
下行性(遠心性) 大脳皮質→末梢へ 皮質脊髄路・皮質延髄路・錐体外路諸路
上行性(求心性) 末梢→大脳皮質へ 外側脊髄視床路・後索路・脊髄網様体路
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題31|求心性伝導路に含まれないのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題31|求心性伝導路に含まれないのはどれか。
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