学習トップ理由で解く 解剖学第1章 ▸ C. 体表構造(皮膚) / Q0055

理由で解く 解剖学

Q0055 人体の構成

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題32
問題
皮膚について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 メルケル細胞は表皮の中にある。
2 メラノサイトは表皮基底層にある。
3 立毛筋は副交感神経の支配を受ける。
4 爪母基は表皮の一部である。
解答
正解3(立毛筋は副交感神経の支配を受ける。)
解説
✗ 1.
メルケル細胞は表皮の中にある。
✗ 正しい。 記述は正しい。メルケル細胞は表皮基底層に散在する神経内分泌細胞で、その底面に感覚神経終末が接してメルケル小体(メルケル盤)を形成し、触覚(持続的接触や形の識別)を感受する。
✗ 2.
メラノサイトは表皮基底層にある。
✗ 正しい。 記述は正しい。メラノサイト(メラニン産生細胞)は表皮の最深層である基底層に存在し、産生したメラニン顆粒を周囲のケラチン産生細胞に受け渡す。人種による数の差はなく、産生するメラニン量が肌の色を決める。
✓ 3. 誤り
立毛筋は副交感神経の支配を受ける。
本問で誤りの記述。立毛筋は交感神経支配の平滑筋であり、副交感神経ではない。皮膚の自律神経支配(汗腺・立毛筋・皮膚血管)はすべて交感神経系に属し、副交感神経は関与しない。寒冷刺激や情動で交感神経が興奮すると立毛筋が収縮し、いわゆる鳥肌(立毛反射)が生じる。
✗ 4.
爪母基は表皮の一部である。
✗ 正しい。 記述は正しい。爪母基は爪根部の上皮細胞集団で、表皮の一部である。ここでの細胞分裂で爪体が産生され、角化しながら遠位へと押し出されて伸びていく。
ポイント
  • 立毛筋は交感神経支配の平滑筋。皮膚の自律神経支配(立毛筋・汗腺・血管)は副交感を持たず交感神経のみ。
  • 覚え方のコツ: 「皮膚の自律は交感オンリー」。メルケル=表皮基底層、メラノサイト=表皮基底層、爪母基=表皮の一部とセットで表皮の細胞構成を整理する。
  • 関連知識: 表皮基底層にはケラチン産生細胞・メラノサイト・メルケル細胞・ランゲルハンス細胞(免疫)が含まれる。交感神経のうちエクリン汗腺のみ伝達物質がアセチルコリン。
  • よくある間違い: 「立毛筋=副交感神経」は最頻出のひっかけ。鳥肌=興奮=交感と結びつけて覚える。
  • 臨床応用: Horner症候群では頸部交感神経幹障害により、患側の瞳孔縮小・眼瞼下垂・発汗低下(無汗症)が生じる。立毛筋・汗腺の交感神経支配の臨床例。
比較表
皮膚構造 所属層 神経支配
メルケル細胞 表皮基底層 感覚神経(触覚)
メラノサイト 表皮基底層 なし(内分泌様に機能)
爪母基 表皮(爪根部)
立毛筋 真皮〜毛包 交感神経(ノルアドレナリン)
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題32|皮膚について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題32|皮膚について誤っている記述はどれか。
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