学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ B. 松果体 / Q0463

理由で解く 解剖学

Q0463 内分泌系

出典:あマ指 第8回(2000) 問題30
問題
内分泌腺について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 下垂体はトルコ鞍のくぼみに乗っている。
2 松果体は脳内に散在する。
3 膵島は膵臓内に散在する。
4 副腎は腎臓の上に接している。
解答
正解2(松果体は脳内に散在する。)
解説
✗ 1.
下垂体はトルコ鞍のくぼみに乗っている。
✗ 正しい。 本選択肢は事実として正しい記述で、本問の解答ではない。下垂体は蝶形骨上面中央の窪みである下垂体窩(トルコ鞍)に収まり、漏斗によって視床下部と連続する。上方は鞍隔膜という硬膜の一部で覆われ、左右は海綿静脈洞に接する。
✓ 2. 誤り
松果体は脳内に散在する。
本選択肢は本問の「誤っている記述」であり解答に相当する。松果体は間脳後端で第3脳室の背側に突出する、長さ約1cm・重さ約0.15gの松かさ様の単一の小器官であり、脳内に「散在」するものではない。メラトニンを分泌して概日リズム(サーカディアンリズム)を調節する。視索上核や漏斗核のような視床下部内に散在する核とは異なり、はっきりとした境界を持つ独立した構造物として視床後方の正中に位置する。
✗ 3.
膵島は膵臓内に散在する。
✗ 正しい。 本選択肢は事実として正しい記述で、本問の解答ではない。ランゲルハンス島(膵島)は膵臓の外分泌組織の間に約100万個散在する直径0.1〜0.3mmの内分泌細胞塊で、特に膵尾部に密度が高い。A細胞(グルカゴン)・B細胞(インスリン)・D細胞(ソマトスタチン)から構成される。
✗ 4.
副腎は腎臓の上に接している。
✗ 正しい。 本選択肢は事実として正しい記述で、本問の解答ではない。副腎は左右の腎臓上極に帽子のように接する三角形の内分泌腺で、右側は肝臓後面と下大静脈に、左側は胃後壁と膵尾に接する。皮質(ステロイド分泌)と髄質(カテコラミン分泌)からなる。
ポイント
  • 松果体は間脳後端・第3脳室背側に突出する単一の小器官(松かさ状)で、「脳内に散在」する構造ではなくメラトニンを分泌して概日リズムを調節する。
  • 覚え方のコツ: 「松果体=松かさ=単一・正中・間脳後端」。散在するのは膵島(ランゲルハンス島)で、混同しやすい両者を対比して記憶する。
  • 関連知識: 松果体は加齢により石灰化(脳砂)が起こり、X線・CTの正中指標となる。高齢者でほぼ全例に観察される。
  • よくある間違い: 松果体と視床下部の各核(散在)の違いを見落とす/松果体と下垂体の位置を混同する(下垂体は間脳下面・トルコ鞍、松果体は間脳後端)。
  • 臨床応用: 松果体腫瘍は第3脳室後端を圧迫して中脳水道の閉塞性水頭症を起こし、上方注視麻痺(Parinaud症候群)を伴う。小児思春期早発症の原因にもなる。
比較表
内分泌器官 位置 構造の特徴 主な産生ホルモン
下垂体 蝶形骨のトルコ鞍 前葉(腺性)+後葉(神経性)の単一器官 GH・ACTH・TSH・バソプレシン 他
松果体 間脳後端・第3脳室背側 松かさ状の単一構造 メラトニン
副腎 両腎の上極 皮質+髄質の単一器官(左右一対) コルチゾール・アルドステロン・アドレナリン
膵島 膵臓内(特に膵尾) 約100万個の細胞塊が散在 インスリン・グルカゴン・ソマトスタチン
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題30|内分泌腺について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題30|内分泌腺について誤っている記述はどれか。
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