学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ B. 松果体 / Q0464

理由で解く 解剖学

Q0464 内分泌系

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題25
問題
松果体について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 間脳の背面にある。
2 神経組織よりなる。
3 上皮細胞の集まりである。
4 メラトニンを分泌する。
解答
正解3(上皮細胞の集まりである。)
解説
✗ 1.
間脳の背面にある。
✗ 正しい。 松果体は間脳(視床後部)の背側、第3脳室中央の後上壁から後方に突出する松かさ状の小体で、四丘体(中脳背側の上丘・下丘)の直前上方に位置する。「間脳の背面にある」は位置関係として正しく、本問の「誤り」にはあたらない。
✗ 2.
神経組織よりなる。
✗ 正しい。 松果体は間脳が後方へ膨らんでできた神経組織由来の小体で、松果体細胞(特殊化した神経上皮性細胞)と神経膠細胞からなる。表面は脳軟膜に包まれ、結合組織が血管や無髄神経を伴って内部に侵入し小葉を形成する。神経組織に属する臓器であり、正しい記述である。
✓ 3. 誤り
上皮細胞の集まりである。
松果体は神経管に由来する神経組織であり、実質は松果体細胞(光受容器の系譜を引く神経内分泌細胞)と神経膠細胞から構成される。上皮細胞の集合体ではない。上皮性の腺細胞の集まりは甲状腺濾胞や下垂体前葉などに典型的にみられる構造で、松果体はこれと異なる。神経細胞系の細胞がホルモン(メラトニン)を分泌する「神経分泌」の代表例である点が重要。したがって「上皮細胞の集まりである」は松果体の本質を誤って表現しており、本問の「誤り」=正解となる。
✗ 4.
メラトニンを分泌する。
✗ 正しい。 松果体細胞はセロトニンを原料に「メラトニン」を合成・分泌する。メラトニンは夜間に高く明け方に低い24時間周期の日内(概日)リズムを示し、睡眠—覚醒のサイクルや性腺機能の調節に関与する。夜間のメラトニン分泌はストレス・光曝露で抑制される。正しい記述である。
ポイント
  • 松果体は間脳由来の神経組織で、松果体細胞と神経膠細胞からなる。上皮性の腺ではなく神経組織に属する点が分類上の要点で、メラトニンを分泌する。
  • 覚え方のコツ: 「松果体=松かさの神経(シンケイ)」と連想。神経性下垂体(後葉)と同じく「神経由来でホルモンを分泌」グループと覚えて、甲状腺など上皮性と区別。
  • 関連知識: メラトニンは夜に高く明け方に低い概日リズムを示し、睡眠・性成熟・時差調整に関与する。7歳前後が最も発達し、加齢とともに退行変化し脳砂(カルシウム沈着)がX線で見える。
  • よくある間違い: 松果体を上皮性の腺と混同/中脳や第4脳室由来と誤記/メラトニンではなくセロトニン・オキシトシンと結びつける(原料はセロトニン、最終産物がメラトニン)。
  • 臨床応用: 松果体腫瘍は中脳水道を圧迫して閉塞性水頭症や、上丘圧迫によるパリノー症候群(上方注視麻痺)を起こす。脳砂はX線・CTで正常加齢所見として観察される。
比較表
項目 松果体 下垂体前葉 甲状腺
由来組織 神経組織(間脳由来) 上皮性(原始口腔・ラトケ嚢) 上皮性(咽頭上皮)
構成細胞 松果体細胞+神経膠細胞 腺細胞(酸好性・塩基好性・色素嫌性) 濾胞細胞+傍濾胞細胞
主なホルモン メラトニン GH・PRL・TSH・ACTH・FSH・LH T3・T4・カルシトニン
位置 間脳背面(第3脳室後上壁) トルコ鞍 喉頭下部前面
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題25|松果体について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題25|松果体について誤っている記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手