学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ A. 下垂体 / Q0462

理由で解く 解剖学

Q0462 内分泌系

出典:あマ指 第20回(2012) 問題23
問題
内分泌系について正しい記述はどれか。
選択肢
1 上皮小体には傍濾胞細胞がある。
2 下垂体前葉では門脈系が形成される。
3 副腎皮質には5 層の細胞配列が認められる。
4 セルトリ細胞は男性ホルモンを分泌する。
解答
正解2(下垂体前葉では門脈系が形成される。)
解説
✗ 1. 誤り
上皮小体には傍濾胞細胞がある。
傍濾胞細胞は上皮小体ではなく「甲状腺」の濾胞間に散在するC細胞で、カルシトニンを分泌し血中Caを下げる。上皮小体の構成細胞は主細胞(PTH分泌)と酸好性細胞の2種類で、傍濾胞細胞は存在しない。
✓ 2. 正しい
下垂体前葉では門脈系が形成される。
下垂体前葉(腺性下垂体)への血液供給は特徴的な下垂体門脈系によって行われる。視床下部の神経細胞が漏斗部(正中隆起)の第1次毛細血管網に放出ホルモン(TRH・CRH・GnRHなど)や抑制ホルモンを分泌し、この血液が下垂体門脈を介して前葉の第2次毛細血管網に運ばれ、前葉の各内分泌細胞(GH・ACTH・TSH・FSH・LH・PRL)に作用する。これにより視床下部は微量の放出ホルモンで前葉分泌を効率的に制御できる。後葉(神経性下垂体)はこの門脈系を介さず、視床下部の視索上核・室傍核の神経軸索が直接後葉に投射してバソプレッシン・オキシトシンを放出する。
✗ 3. 誤り
副腎皮質には5 層の細胞配列が認められる。
副腎皮質は5層ではなく「3層」で、表層から深層へ球状帯・束状帯・網状帯の順に配列する。球状帯はアルドステロン(鉱質コルチコイド)、束状帯はコルチゾール(糖質コルチコイド)、網状帯は副腎性アンドロゲン(性ホルモン)を分泌する。
✗ 4. 誤り
セルトリ細胞は男性ホルモンを分泌する。
精巣で男性ホルモン(テストステロン)を分泌するのは、精細管の間の結合組織にある間細胞(ライディッヒ細胞)である。セルトリ細胞は精細管内で精子形成を支持するとともに、アンドロゲン結合タンパク・インヒビン・抗ミュラー管ホルモンを産生する「支持細胞」で、テストステロン分泌は行わない。
ポイント
  • 下垂体前葉は下垂体門脈系を介して視床下部から放出ホルモンを受け取り、各種前葉ホルモンを分泌する。
  • 覚え方のコツ: 「前葉=門脈+放出ホルモン、後葉=神経線維+バソプレッシン/オキシトシン」と前後葉の調節経路を対比。
  • 関連知識: 副腎皮質は球状帯・束状帯・網状帯の3層、セルトリ細胞は精子形成を支持しテストステロン分泌はライディッヒ細胞、傍濾胞細胞は甲状腺。
  • よくある間違い: 傍濾胞細胞を上皮小体に配置する/副腎皮質を5層とする/セルトリ細胞とライディッヒ細胞のホルモンを逆にする。
  • 臨床応用: 下垂体茎切断や外傷では門脈系が途絶え、前葉ホルモン分泌が低下する(前葉機能低下症)。一方、後葉線維の障害は中枢性尿崩症(ADH低下)を引き起こす。
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題23|内分泌系について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題23|内分泌系について正しい記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手