学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ A. 下垂体 / Q0458

理由で解く 解剖学

Q0458 内分泌系

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題25
問題
下垂体について正しいのはどれか。
選択肢
1 第 4 脳室底部に突出する。
2 腺性下垂体は前方に位置する。
3 神経性下垂体は咽頭に由来する。
4 下垂体ホルモンは下垂体門脈系により標的器官に達する。
解答
正解2(腺性下垂体は前方に位置する。)
解説
✗ 1. 誤り
第 4 脳室底部に突出する。
下垂体は第3脳室底(視床下部)から漏斗を介して下方へ突出し、トルコ鞍に収まる。第4脳室は橋・延髄背側と小脳の間にあり、下垂体とは解剖学的に離れた位置で関与しない。脳室底への突出は「第3脳室底」が正しい。
✓ 2. 正しい
腺性下垂体は前方に位置する。
腺性下垂体は原始口腔(ラトケ嚢)由来の上皮性組織で、下垂体の前部を占める「前葉」とその後方の「中間部」、上方の「隆起部」の3部に区分される。したがって下垂体内部の位置としては前葉が前方を占め、後葉(神経性下垂体)がその後方に位置する。「腺性下垂体は前方に位置する」は前葉が下垂体の前部に位置する関係を指しており、前方=腺性(由来:上皮)・後方=神経性(由来:神経)の配置は発生学的にも一貫した重要事項である。
✗ 3. 誤り
神経性下垂体は咽頭に由来する。
神経性下垂体は第3脳室底の突出により生じた「神経組織」であり、間脳由来である。咽頭(原始口腔)由来なのは腺性下垂体(前葉・中間部・隆起部)。由来が逆になっている典型的な引っかけパターンで、発生学の基礎として押さえる。
✗ 4. 誤り
下垂体ホルモンは下垂体門脈系により標的器官に達する。
下垂体門脈系は視床下部(隆起部の第一次毛細血管網)と前葉(第二次毛細血管網)を連絡する血管系で、視床下部の放出ホルモンを前葉に運ぶ経路である。下垂体自身のホルモン(GHやACTHなど)を標的器官へ運ぶのは一般の体循環であって、下垂体門脈系ではない。
ポイント
  • 下垂体内の前後関係は「前=腺性(前葉+中間部)/後=神経性(後葉)」で整理する。第3脳室底から漏斗でぶら下がり、トルコ鞍に収まる。
  • 覚え方のコツ: 「前は口(ラトケ嚢)から、後は脳(第3脳室底)から」で由来と位置を同時に固定。脳室は「下垂体は3番、小脳・延髄は4番」と番号で分ける。
  • 関連知識: 下垂体門脈系は「視床下部→前葉」に視床下部ホルモンを運ぶ血管系で、下垂体ホルモンを末梢に運ぶ経路ではない。後葉へは神経線維が直接連絡。
  • よくある間違い: 下垂体を第4脳室由来と誤記/神経性下垂体を咽頭由来と逆転する/下垂体門脈が標的器官までホルモンを運ぶと誤解する。
  • 臨床応用: ラトケ嚢遺残から頭蓋咽頭腫が発生することがあり、視神経交叉圧迫や下垂体機能低下を招く。経蝶形骨洞手術は腺腫摘出の標準アプローチ。
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題25|下垂体について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題25|下垂体について正しいのはどれか。
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