学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ F. 小腸 / Q0304

理由で解く 解剖学

Q0304 消化器系

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題24
問題
小腸について正しいのはどれか。
選択肢
1 粘膜上皮は多列円柱上皮である。
2 粘膜固有層にパイエル板がある。
3 全長にわたって腸間膜がある。
4 表面に腹膜垂がある。
解答
正解2(粘膜固有層にパイエル板がある。)
解説
✗ 1. 誤り
粘膜上皮は多列円柱上皮である。
小腸の粘膜上皮は吸収に適した単層円柱上皮で、杯細胞が点在し、上皮自由面には微絨毛が密集する。多列円柱上皮(気道粘膜など繊毛を持つ上皮)ではない。記述は誤り。
✓ 2. 正しい
粘膜固有層にパイエル板がある。
パイエル板(集合リンパ小節)は小腸粘膜固有層にある多数のリンパ小節の集合体で、回腸下部(末端部)に多く分布する。長さ2〜4cmの小判状構造で、粘膜上皮内にM細胞を持ち、腸管内抗原を取り込んで粘膜免疫応答(IgA産生)を誘導する。したがって「粘膜固有層にパイエル板がある」は正しく、本問の正解となる。消化管免疫組織GALTの代表として重要で、クローン病の好発部位でもある。
✗ 3. 誤り
全長にわたって腸間膜がある。
小腸のうち十二指腸は後腹膜に癒着して固定され腸間膜を持たない(腹膜後臓器)。空腸・回腸のみが腸間膜を持ち可動性に富む。「全長にわたって腸間膜がある」は誤り。
✗ 4. 誤り
表面に腹膜垂がある。
腹膜垂は結腸の漿膜下に脂肪組織を含む突出物で、大腸特有の構造である。小腸の表面には存在しない。小腸に特徴的なのは腸絨毛・輪状ヒダ・パイエル板などで、腹膜垂ではない。
ポイント
  • パイエル板(集合リンパ小節)は小腸粘膜固有層にあり、回腸下部に多い。粘膜上皮のM細胞が抗原を取り込み粘膜免疫を誘導する。
  • 覚え方のコツ: 小腸3部は「十二指腸=腹膜後(固定)、空腸=2/5(上部で輪状ヒダ発達)、回腸=3/5(末端でパイエル板多発)」と特徴を対応。
  • 関連知識: 小腸粘膜は単層円柱上皮+杯細胞、表面に微絨毛。輪状ヒダ×3・腸絨毛×10・微絨毛×20で吸収面積を約200m²に拡大する。
  • よくある間違い: 小腸上皮を多列円柱と混同/十二指腸に腸間膜があると誤認/腹膜垂を小腸の構造と誤解。
  • 臨床応用: 回腸末端のクローン病では粘膜固有層のリンパ組織(パイエル板周囲)から非乾酪性肉芽腫が発生し、狭窄・瘻孔を形成する。腸チフスはパイエル板の潰瘍化で腸管出血・穿孔を来す。
比較表
部位 長さ・割合 腸間膜 輪状ヒダ パイエル板
十二指腸 約25cm なし(腹膜後) 下方で発達 少ない
空腸 約2.5m(上2/5) あり 最も発達 少ない
回腸 約3.5m(下3/5) あり 不規則・末端で消失 多い(末端に密)
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題24|小腸について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題24|小腸について正しいのはどれか。
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