
この図の解説
右上の低倍像を見ると、内腔が波打つ管(精巣輸出管)と、精子が詰まって縁の整った丸い管(精巣上体管)が混在している。これは1本の管が著しく迂曲するため、切片では多数の断面として現れるからである。左の精巣輸出管は、背の高い円柱上皮と背の低い立方上皮が交互に並び、内腔が鋸歯状に凹凸する点が目印で、上皮内にはリポフスチン顆粒が見える。精巣網から出た10~15本の精巣輸出管は精巣上体に入ると1本の精巣上体管に合流する。下の精巣上体管は、内腔に不動毛が密生した背の高い円柱上皮と基底細胞からなり、内腔は成熟した精子で満たされている。この管は引き伸ばすと全長4~5mにもなり、精子はここを約3日かけて通過する間に運動能と受精能を獲得し、尾部に蓄えられる。精巣上体は精子を成熟させ、貯蔵する場である。
学習の要点
- 精巣網→10~15本の精巣輸出管→合流して1本の精巣上体管、という精子の通り道を押さえる。精巣上体は頭・体・尾の3部に分かれ、尾部から精管へ移行する。
- 覚え方のコツ:「上(じょう)で熟して尾(お)に貯める」。精子は精巣上体(管)を通る間に成熟し、尾部で貯蔵される。
- 関連知識:精巣上体管は全長4~5mの単一の長い管。通過に約3日かかり、その間に未熟な精子が運動能と受精能を得る。射精まで平常時の精子はここで運動せずに蓄えられる。
- よくある間違い:精子をつくるのは精巣(精細管)であって精巣上体ではない。精巣上体の役割は「成熟」と「貯蔵」で、産生ではない。
- 臨床応用:精子は精巣上体尾部の精巣上体管に主に蓄えられるため、この部が精子貯蔵の中心となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
精子は精巣網から10~15本の( )をへて精巣上体に入り、これらは精巣上体内で合流して1本の精巣上体管となる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 精巣輸出管
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。