学習トップ理由で解く 解剖学第6章 ▸ A. 男性生殖器 / Q0403

理由で解く 解剖学

Q0403 生殖器系

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題25
問題
誤っているのはどれか。
選択肢
1 精巣は後腹壁で形成され陰嚢中へ下降する。
2 卵管の自由端は腹膜腔に開口している。
3 精巣挙筋は内腹斜筋の続きである。
4 卵巣動脈は内腸骨動脈から分岐する。
解答
正解4(卵巣動脈は内腸骨動脈から分岐する。)
解説
✗ 1.
精巣は後腹壁で形成され陰嚢中へ下降する。
✗ 正しい。 この記述は正しい。精巣は胎生初期には後腹壁(腎臓と同じ位置)で発生し、胎児の成長とともに下降し、胎生後期に鼠径管を通って陰嚢内に入る。腹膜の一部を引き連れて下降し、腹腔との交通(腹膜鞘状突起)は通常出生時までに閉鎖する。本問は誤っているものを選ぶため、これは選択しない。
✗ 2.
卵管の自由端は腹膜腔に開口している。
✗ 正しい。 この記述は正しい。卵管は内側端で子宮底の外側上縁に開口するが、外側端(卵管采を持つ腹腔口)は腹膜腔に自由に開口する。女性では卵管を介して腹腔と外界が交通しており、腹膜炎の上行感染経路となる。本問は誤っているものを選ぶため、これは選択しない。
✗ 3.
精巣挙筋は内腹斜筋の続きである。
✗ 正しい。 この記述は正しい。精巣挙筋は内腹斜筋(および腹横筋)の一部が精索を包みながら下行したもので、精索を覆う3層の筋膜・筋層のうちの中層を形成する。寒冷時に精巣を挙上し陰嚢内温度を保つ機能がある(挙睾反射)。本問は誤っているものを選ぶため、これは選択しない。
✓ 4. 誤り
卵巣動脈は内腸骨動脈から分岐する。
卵巣動脈は内腸骨動脈からではなく、腹大動脈から直接分岐する。男性の精巣動脈と同様、卵巣動脈は腎動脈のすぐ下あたりで腹大動脈から起始し、骨盤入口部で尿管をまたぎ、卵巣提索(骨盤漏斗靱帯)の中を下降して卵巣に達する。これは生殖腺が胎生期に腹腔背側で発生し、のちに下降した発生経路を反映している。なお子宮動脈・腟動脈は内腸骨動脈から分岐するので混同しないこと。
ポイント
  • 生殖腺動脈(精巣動脈・卵巣動脈)は腹大動脈から直接分岐し、内腸骨動脈からは分岐しない。
  • 覚え方のコツ: 「生殖腺は後腹壁で発生→下降」。発生位置に合わせて血管も腹大動脈から降りてくる。子宮・腟は最初から骨盤内なので内腸骨動脈系、と経路で対比する。
  • 関連知識: 精巣・卵巣とも腹大動脈から分岐。静脈は右が下大静脈へ直接注ぎ、左が左腎静脈へ注ぐ(左右非対称)。精巣挙筋=内腹斜筋由来で挙睾反射の運動枝はL1〜L2の陰部大腿神経。
  • よくある間違い: 卵巣動脈・精巣動脈を内腸骨動脈の枝と誤認する/卵管の外側端を「閉じている」と誤解する(腹腔口として開口する)/精巣下降の起始部位を骨盤内と誤る。
  • 臨床応用: 精巣捻転では精索血流遮断で急激な陰嚢痛を生じ、発症から6時間以内の手術復位が精巣温存の目安。停留精巣は精子形成障害・悪性腫瘍化のリスクとなり小児期に手術適応。
比較表
生殖腺・器官 動脈の起始 静脈の流入先
精巣・卵巣 腹大動脈(直接) 右:下大静脈へ直接/左:左腎静脈へ
子宮 内腸骨動脈(子宮動脈) 内腸骨静脈
内腸骨動脈(腟動脈) 内腸骨静脈
精索の包被 外:外精筋膜(外腹斜筋腱膜)/中:精巣挙筋膜(内腹斜筋)/内:内精筋膜(腹横筋膜)
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題25|誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題25|誤っているのはどれか。
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