学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0401

理由で解く 解剖学

Q0401 泌尿器系

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題22
問題
男性尿道の隔膜部に最も近いのはどれか。
選択肢
1 精巣
2 肛門
3 尿道球腺
4 膀胱
解答
正解3(尿道球腺)
解説
✗ 1. 誤り
精巣
精巣は陰嚢内に下降した性腺で、骨盤外の陰嚢内に位置する。尿道隔膜部(尿生殖隔膜内)とは骨盤底を隔てて離れており、直接接することはない。精管は精巣→鼠径管→骨盤内→膀胱底→前立腺を経て射精管となり前立腺部尿道に合流するが、隔膜部尿道の近傍にはない。
✗ 2. 誤り
肛門
肛門は会陰部の後方に位置し、骨盤底の肛門挙筋や外肛門括約筋に取り囲まれる。尿生殖隔膜(尿道が貫く前方の骨盤底部)よりも後方にあり、尿道隔膜部とは前後に一定の距離がある。尿道と肛門の間の会陰部が両者を分ける。
✓ 3. 正しい
尿道球腺
本選択肢が設問の正答である。尿道球腺(カウパー腺)は尿生殖隔膜の中、外尿道括約筋の外側に左右1対埋め込まれたエンドウ豆大の小さな粘液腺で、尿道隔膜部と最も近い位置関係にある。その導管は尿生殖隔膜を下方へ貫き、海綿体部尿道の起始部(尿道球部)に開口する。性的興奮時に無色透明のアルカリ性粘液(カウパー腺液、いわゆる尿道先走液)を分泌し、尿道内を中和・潤滑して精子の通過を助ける。尿道隔膜部は前立腺部と海綿体部の間を占める最短の区画(約1〜2cm)で、外尿道括約筋と尿道球腺を同じ尿生殖隔膜の中に収める非常に重要な解剖学的境界である。
✗ 4. 誤り
膀胱
膀胱は尿道隔膜部の遥か上方、小骨盤腔前部に位置する。膀胱底は前立腺の上端に連続するが、隔膜部尿道はその前立腺の下、尿生殖隔膜の高さにあるため、膀胱とは前立腺を隔てて離れている。膀胱と隔膜部の間には前立腺部尿道(約3〜4cm)が介在する。
ポイント
  • 尿生殖隔膜には「外尿道括約筋+尿道球腺」が同居。尿道隔膜部=尿生殖隔膜内の尿道区間。
  • 覚え方のコツ: 男性尿道は「前立腺部(上)→隔膜部(中)→海綿体部(下)」。隔膜部の近傍に「外尿道括約筋・尿道球腺」がセットで存在すると覚える。
  • 関連知識: 尿道球腺(カウパー腺)の女性相当器官は大前庭腺(バルトリン腺)で、性的興奮時に潤滑粘液を分泌する点が共通。
  • よくある間違い: 精巣や膀胱が隔膜部に近いと誤答/尿道球腺を前立腺と混同/隔膜部と海綿体部の順番を逆に覚える。
  • 臨床応用: 骨盤骨折に伴う尿道損傷は隔膜部に好発(骨盤骨による剪断力)。男性尿道カテーテル挿入時は隔膜部で抵抗を感じるため、無理な操作で尿道損傷を起こさないよう注意する。
比較表
男性尿道の部位 長さ 通過構造 近接する腺・筋
前立腺部 約3〜4cm 前立腺内 前立腺・射精管・精阜
隔膜部 約1〜2cm 尿生殖隔膜 外尿道括約筋・尿道球腺
海綿体部 約12〜15cm 尿道海綿体内 尿道球腺の導管開口部
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題22|男性尿道の隔膜部に最も近いのはどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題22|男性尿道の隔膜部に最も近いのはどれか。
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