学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0400

理由で解く 解剖学

Q0400 泌尿器系

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題22
問題
膀胱について正しいのはどれか。
選択肢
1 坐骨の後方にある。
2 全体が腹膜で覆われる。
3 膀胱頂に尿管が開口する。
4 骨盤内蔵神経が分布する。
解答
正解4(骨盤内蔵神経が分布する。)
解説
✗ 1. 誤り
坐骨の後方にある。
「坐骨の後方にある」は誤り。膀胱は坐骨ではなく恥骨結合の後方に位置する。小骨盤腔の前方部、恥骨・恥骨結合の真後ろに収まり、男性では後方に直腸、女性では後方に子宮・腟が続く。坐骨は骨盤の後外側を構成する骨で、膀胱との直接的な前後関係にはない。
✗ 2. 誤り
全体が腹膜で覆われる。
「全体が腹膜で覆われる」は誤り。膀胱は上面(膀胱頂〜膀胱体上部)のみが壁側腹膜に覆われ、前面・側面・下面(膀胱底)は腹膜外にある「腹膜下器官」である。上面の腹膜は男性では直腸に折り返り直腸膀胱窩、女性では子宮に折り返り膀胱子宮窩を形成する。
✗ 3. 誤り
膀胱頂に尿管が開口する。
「膀胱頂に尿管が開口する」は誤り。尿管は膀胱頂ではなく、膀胱底の後外側を斜めに貫いて尿管口として開口する。左右の尿管口と内尿道口の3点が膀胱三角を囲む。膀胱頂は膀胱の最上部で、臍から連続する正中臍索(胎生期の尿膜管の遺残)が付着する部位である。
✓ 4. 正しい
骨盤内蔵神経が分布する。
本選択肢が設問の正しい記述で、正答となる。膀胱には副交感神経性の「骨盤内臓神経(S2〜S4由来)」が分布し、排尿筋(膀胱壁平滑筋)を収縮させて排尿を起こす。同時に内尿道括約筋を弛緩させる神経も骨盤神経叢を経由する。交感神経性には下腹神経(Th11〜L2由来)が分布して内尿道括約筋を収縮させ蓄尿を促進する。体性神経としては陰部神経(S2〜S4)が外尿道括約筋を支配し、随意的な排尿制御を可能にする。つまり膀胱と尿道の制御は「副交感(骨盤内臓神経=排尿)・交感(下腹神経=蓄尿)・体性(陰部神経=随意)」の3系統が協調する形をとる。
ポイント
  • 膀胱の排尿反射は副交感神経性「骨盤内臓神経(S2〜S4)」による。排尿筋収縮+内尿道括約筋弛緩を同時に起こす。
  • 覚え方のコツ: 排尿3神経は「副交感=骨盤内臓(排尿)・交感=下腹(蓄尿)・体性=陰部(随意)」と3点セット。
  • 関連知識: 膀胱三角は左右尿管口と内尿道口の3頂点。膀胱頂は尿膜管遺残(正中臍索)の付着部で、尿膜管癌の好発部位。
  • よくある間違い: 尿管口を膀胱頂と誤る/膀胱全体が腹膜に覆われると誤答/骨盤内臓神経の支配を交感神経と混同する。
  • 臨床応用: 脊髄損傷で仙髄(S2〜S4)が障害されると骨盤内臓神経が機能不全となり、弛緩性膀胱(無反射膀胱)を生じる。間欠導尿や抗コリン薬・α遮断薬などを組合せて管理する。
比較表
膀胱・尿道の神経支配 神経 由来 作用
副交感(排尿) 骨盤内臓神経 S2〜S4 排尿筋収縮・内尿道括約筋弛緩
交感(蓄尿) 下腹神経 Th11〜L2 排尿筋弛緩・内尿道括約筋収縮
体性(随意) 陰部神経 S2〜S4 外尿道括約筋の随意制御
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題22|膀胱について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題22|膀胱について正しいのはどれか。
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