学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0397

理由で解く 解剖学

Q0397 泌尿器系

出典:あマ指 第15回(2007) 問題26
問題
泌尿器系について正しい記述はどれか。
選択肢
1 右腎は左腎より高い位置にある。
2 膀胱の筋層は横紋筋である。
3 外尿道括約筋は随意筋である。
4 尿管の粘膜は扁平上皮である。
解答
正解3(外尿道括約筋は随意筋である。)
解説
✗ 1. 誤り
右腎は左腎より高い位置にある。
「右腎は左腎より高い位置にある」は誤り。実際は逆で、右腎のほうが左腎より約1/2椎体分低い位置にある。これは右腎の上方に大きな肝臓の右葉が乗るためである。左腎の上にも副腎があるが肝臓ほどの容積はなく、左腎は右腎よりやや高く位置する。
✗ 2. 誤り
膀胱の筋層は横紋筋である。
「膀胱の筋層は横紋筋である」は誤り。膀胱壁の筋層は網状に錯綜する平滑筋束(排尿筋)からなり、副交感神経(骨盤内臓神経)の興奮で収縮して排尿を起こす。不随意筋であるため、尿意を感じても意識的に膀胱壁の収縮を起こすことは直接にはできない。横紋筋でできているのは外尿道括約筋のみ。
✓ 3. 正しい
外尿道括約筋は随意筋である。
本選択肢が設問の正しい記述で、正答となる。外尿道括約筋は尿生殖隔膜内に組み込まれた横紋筋で、陰部神経(S2〜S4由来の体性運動神経)支配の随意筋である。大脳皮質からの命令により意識的に収縮・弛緩を制御でき、排尿を我慢する・排尿を開始するといった行為の実行役を担う。これに対して内尿道括約筋(膀胱括約筋)は膀胱頸部にある平滑筋で、交感神経(下腹神経)支配の不随意筋であり、意識では直接操作できない。男女ともに外尿道括約筋は尿生殖隔膜の同じ位置に存在するが、男性では隔膜部尿道を、女性では尿道中央を取り囲む。尿失禁の自発的抑制はこの随意筋の働きに依存する。
✗ 4. 誤り
尿管の粘膜は扁平上皮である。
「尿管の粘膜は扁平上皮である」は誤り。尿管の粘膜は腎杯・腎盂・膀胱・尿道起始部と同じく「移行上皮(尿路上皮)」で覆われる。伸展時は2〜3層、非伸展時は4〜5層と層数を変化させ、尿の蠕動運動に対応する。扁平上皮(多層扁平上皮)は食道・外陰部・口腔などの摩擦に晒される部位の上皮。
ポイント
  • 外尿道括約筋=横紋筋=随意筋=陰部神経支配。唯一の「意識できる」尿道括約筋。
  • 覚え方のコツ: 「外・横・陰・随」の4文字セットで丸暗記。対して「内・平・自律・不随意」。
  • 関連知識: 陰部神経は仙骨神経叢S2〜S4から起こり、アルコック管(陰部神経管)を通って会陰部へ分布し、外尿道括約筋・外肛門括約筋・陰茎/陰核を支配。
  • よくある間違い: 右腎と左腎の高低を逆に覚える/尿管粘膜を扁平上皮と誤記/内尿道括約筋を随意筋と誤答。
  • 臨床応用: 脊髄麻酔・硬膜外麻酔では陰部神経がブロックされると外尿道括約筋の随意制御を失い尿閉となる。前立腺全摘後は外尿道括約筋の温存度が尿禁制回復の鍵。
比較表
部位 上皮種
腎杯・腎盂 移行上皮(尿路上皮)
尿管 移行上皮
膀胱 移行上皮
尿道起始(前立腺部) 移行上皮
尿道遠位部 多列円柱〜重層扁平上皮
外尿道口付近 重層扁平上皮
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題26|泌尿器系について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題26|泌尿器系について正しい記述はどれか。
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