学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0396

理由で解く 解剖学

Q0396 泌尿器系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題24
問題
尿道について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 尿道口に始まる。
2 陰茎海綿体を貫く。
3 女性のほうが短い。
4 尿道括約筋は横紋筋である。
解答
正解2(陰茎海綿体を貫く。)
解説
✗ 1.
尿道口に始まる。
✗ 正しい。 「尿道口に始まる」は広義には正しい。尿道は膀胱底の内尿道口に起始し、外尿道口(いわゆる尿道口)で体外に開く。「尿道口」と言えば通常外尿道口を指すが、本問では膀胱側を起始・体表側を開口と捉え、「尿道は内尿道口に始まる」意味で解釈する。より厳密には「内尿道口に始まり外尿道口に終わる」が正確な表現となる。
✓ 2. 誤り
陰茎海綿体を貫く。
本選択肢が設問の誤りで、正答となる。男性尿道の海綿体部が貫くのは「陰茎海綿体」ではなく「尿道海綿体」である。陰茎は3本の海綿体構造(左右1対の陰茎海綿体と、正中の尿道海綿体)からなり、尿道は腹側中央の尿道海綿体の内部を走行する。陰茎海綿体は陰茎の背側(上側)に2本並ぶ勃起の主役で、尿道は通らない。尿道海綿体は先端部で膨大して亀頭を形成し、外尿道口はその先端に開く。「陰茎海綿体」と「尿道海綿体」の紛らわしい2語は国試頻出の頻繁なひっかけ。
✗ 3.
女性のほうが短い。
✗ 正しい。 「女性のほうが短い」は正しい。女性の尿道は約3〜4cmで、内尿道口からほぼ真っ直ぐ下行して腟前庭の外尿道口に開く。一方、男性尿道は16〜20cmと長く、前立腺部・隔膜部・海綿体部の3部に分かれS字状に走る。女性尿道が短く真っ直ぐなことは、尿路感染(膀胱炎・腎盂腎炎)が女性に多い解剖学的要因となる。
✗ 4.
尿道括約筋は横紋筋である。
✗ 正しい。 「尿道括約筋は横紋筋である」は正しい。一般に尿道括約筋と言えば外尿道括約筋を指し、尿生殖隔膜内に組み込まれた横紋筋で、陰部神経(S2〜S4)支配の随意筋である。別に膀胱の出口には内尿道括約筋(平滑筋、交感神経・下腹神経支配の不随意筋)があり、両者は筋種・神経支配が異なる。
ポイント
  • 男性尿道が貫くのは「尿道海綿体」。陰茎海綿体は背側の1対で、尿道は通らない。
  • 覚え方のコツ: 陰茎の3本柱は「背に2本の陰茎海綿体、腹に1本の尿道海綿体」。尿道は「下の1本」を通る。
  • 関連知識: 勃起時は陰茎海綿体が主に膨張して硬く立ち上がる。尿道海綿体は先端が亀頭に膨大して尿流出を妨げない構造になっている。
  • よくある間違い: 尿道が陰茎海綿体を貫くと誤記憶/男性尿道の長さを3〜4cmと混同/女性尿道を長いと誤る。
  • 臨床応用: 男性尿道カテーテル留置時は「前立腺部→隔膜部→海綿体部」のS字カーブを意識して挿入する。隔膜部は外尿道括約筋に相当し、抵抗を感じる部位。骨盤骨折では隔膜部尿道損傷を合併しやすい。
比較表
陰茎の海綿体 位置 尿道の通過
陰茎海綿体 2本 背側(上側)左右一対 通らない
尿道海綿体 1本 腹側(下側)正中 通る(海綿体部尿道)
亀頭 尿道海綿体の先端が膨大 外尿道口で開く
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題24|尿道について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題24|尿道について誤っている記述はどれか。
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