学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ D. 肺・胸膜・縦隔 / Q0251

理由で解く 解剖学

Q0251 呼吸器系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題23
問題
肺について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 左肺は2 葉に分かれる。
2 表面は臓側胸膜で覆われる。
3 肺静脈は右心房に入る。
4 ガス交換は肺胞壁において行われる。
解答
正解3(肺静脈は右心房に入る。)
解説
✗ 1.
左肺は2 葉に分かれる。
✗ 正しい。 左肺は上葉と下葉の2葉に分かれる。右肺は上・中・下の3葉、左肺は2葉という数の違いは、左側に心臓が存在して左肺が圧迫されるため生じる解剖学的特徴である。左肺が2葉という記述は正しい。
✗ 2.
表面は臓側胸膜で覆われる。
✗ 正しい。 肺の表面は光沢のある薄い臓側胸膜で包まれ、肺門で折り返って胸壁内面・縦隔側面・横隔膜上面を覆う壁側胸膜へと連続する。臓側胸膜が肺表面に密着している記述は正しい。
✓ 3. 誤り
肺静脈は右心房に入る。
肺静脈は右心房ではなく左心房に流入する。肺でガス交換を終えた動脈血(O2に富む血液)を左右それぞれ2本ずつ、計4本の肺静脈として集め、左心房へ注ぐ。その後左心室から全身へ送り出される。右心房に流入するのは上大静脈・下大静脈・冠状静脈洞など全身から戻る静脈血系で、肺静脈ではない。肺循環では「肺動脈=静脈血・肺静脈=動脈血」と血液性状が通常の動静脈と逆転する点が頻出ポイントである。
✗ 4.
ガス交換は肺胞壁において行われる。
✗ 正しい。 ガス交換は肺胞壁で行われる。厳密には肺胞上皮(I型肺胞上皮細胞)・基底膜・毛細血管内皮を合わせた厚さ約0.5µmの血液空気関門を通して、酸素と二酸化炭素が拡散により交換される。終末細気管支より先の呼吸細気管支・肺胞管・肺胞嚢・肺胞でガス交換が行われ、肺胞壁がガス交換の場という記述は正しい。
ポイント
  • 肺静脈は左右2本ずつ計4本で、肺でガス交換を終えた動脈血(O2に富む血液)を左心房へ運ぶ。右心房へは戻らない点が頻出。肺循環では動脈と静脈で流れる血液性状が逆転する。
  • 覚え方のコツ: 「肺動脈は右心室から、肺静脈は左心房へ」=「右出・左入」で流入出を固定記憶。肺動脈は青(静脈血)・肺静脈は赤(動脈血)と色で逆転を視覚化。本数は「肺静脈4本、肺動脈2本」。
  • 関連知識: 肺循環の経路:右心室→肺動脈→肺(ガス交換)→肺静脈→左心房→左心室→大動脈→全身。肺静脈には弁がなく、組織学的には中膜の平滑筋が薄い。ガス交換の場は呼吸細気管支以遠(呼吸部)。
  • よくある間違い: 肺静脈を「静脈血の血管」と思い込み右心房へ戻ると誤答する/肺動脈に動脈血が流れると誤解する/ガス交換の場を気管支や気管と混同する/肺静脈本数を左右各1本と誤認する。
  • 臨床応用: 左心不全では肺静脈圧上昇により肺うっ血・肺水腫をきたし呼吸困難が出現する。肺静脈開口部は心房細動の異常興奮源として重要で、カテーテルアブレーション(肺静脈隔離術)の治療標的となる。
比較表
血管 起始/流入先 流れる血液 本数
肺動脈 右心室→肺 静脈血(O2低・CO2高) 2本(左右)
肺静脈 肺→左心房 動脈血(O2高・CO2低) 4本(左右各2本)
気管支動脈 胸大動脈→肺 動脈血(栄養血管) 左右で本数異なる
気管支静脈 肺→奇静脈系 静脈血
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題23|肺について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題23|肺について誤っている記述はどれか。
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