学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0398

理由で解く 解剖学

Q0398 泌尿器系

出典:あマ指 第16回(2008) 問題25
問題
尿管について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 長さは約30cm である。
2 尿は蠕動運動によって運ばれる。
3 総腸骨動脈の後方を通る。
4 粘膜は移行上皮からなる。
解答
正解3(総腸骨動脈の後方を通る。)
解説
✗ 1.
長さは約30cm である。
✗ 正しい。 「長さは約30cmである」は正しい。成人の尿管は長さ25〜30cm、直径4〜7mmの細い筋性の管で、腎盂から後腹膜を下降して骨盤腔に入り膀胱底を斜めに貫く。腹部尿管と骨盤尿管にほぼ半々の長さで分かれる。
✗ 2.
尿は蠕動運動によって運ばれる。
✗ 正しい。 「尿は蠕動運動によって運ばれる」は正しい。尿管壁は内縦走・外輪走の平滑筋層が発達し、1分間に4〜5回の周期的な蠕動運動によって尿を「しごく」ように少量ずつ膀胱へ送る。重力ではなく能動的な筋収縮が主役であるため、仰臥位でも逆流せず尿が運ばれる。
✓ 3. 誤り
総腸骨動脈の後方を通る。
本選択肢が設問の誤りで、正答となる。尿管は総腸骨動脈の「後方」ではなく「前方」を横切って骨盤腔へ入る。尿管は後腹膜を下行し、大腰筋の前面を越えて骨盤入口部で左右の総腸骨動脈(外腸骨動脈と内腸骨動脈の分岐点付近)の前面を斜めに交叉する。この交叉部は尿管3狭窄部(①腎盂尿管移行部、②総腸骨動脈交叉部、③膀胱壁貫通部)の第2狭窄として臨床的に重要で、尿路結石の嵌頓好発部位となる。一方、尿管は血管・総腸骨静脈・卵巣動静脈(女性)や精巣動静脈(男性)とは「橋の下をくぐるトンネルのように」交差しており、動脈の前を通る位置関係を押さえておく。
✗ 4.
粘膜は移行上皮からなる。
✗ 正しい。 「粘膜は移行上皮からなる」は正しい。尿管内面は腎杯・腎盂・膀胱と同じく移行上皮(尿路上皮)で覆われ、尿の浸透圧や内圧の変化に耐える特殊な上皮構造をもつ。尿管癌(尿路上皮癌)は膀胱癌と同じ上皮起源であり、しばしば多発・再発する。
ポイント
  • 尿管は総腸骨動脈の「前方」を横切る。長さ25〜30cm、平滑筋の蠕動運動で尿を輸送、粘膜は移行上皮。
  • 覚え方のコツ: 尿管3狭窄部は「腎盂尿管移行部・総腸骨動脈交叉部・膀胱壁貫通部」を上から順に3段階で暗記。
  • 関連知識: 尿管は大腰筋前面→総腸骨動脈を前から横切る→骨盤側壁を下り→膀胱を斜めに貫く、というS字状経路。女性では子宮動脈と交叉し、子宮動脈が尿管の上を「水の上の橋(water under the bridge)」のように越える。
  • よくある間違い: 尿管が総腸骨動脈の後方を通ると誤答/長さを50cmなど過大に覚える/粘膜を扁平上皮と誤る。
  • 臨床応用: 尿路結石は3狭窄部に嵌頓しやすく、腎盂尿管移行部>膀胱壁貫通部>総腸骨動脈交叉部の順に好発。子宮全摘術では尿管と子宮動脈の交叉を意識しないと尿管損傷を起こす。
比較表
尿管3狭窄部 位置 備考
第1狭窄 腎盂尿管移行部 最も頻度の高い結石嵌頓部位
第2狭窄 総腸骨動脈交叉部 動脈の「前」を越える
第3狭窄 膀胱壁貫通部(尿管口) 斜走して逆流防止
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題25|尿管について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題25|尿管について誤っている記述はどれか。
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