学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ B. 心臓 / Q0089

理由で解く 解剖学

Q0089 循環器系

出典:あマ指 第16回(2008) 問題26
問題
心臓について正しい記述はどれか。
選択肢
1 房室結節は心室にある。
2 前室間枝は右冠状動脈の枝である。
3 肺動脈弁は大動脈弁の左前方に位置する。
4 僧帽弁は3 枚の弁尖からなる。
解答
正解3(肺動脈弁は大動脈弁の左前方に位置する。)
解説
✗ 1. 誤り
房室結節は心室にある。
房室結節は右心房の下壁にある特殊心筋線維の密な塊であり、心室ではなく心房側にある。洞房結節からの興奮を中継して、線維三角を貫くヒス束(房室束)を介して心室に興奮を伝える中継点として機能する。
✗ 2. 誤り
前室間枝は右冠状動脈の枝である。
前室間枝は左冠状動脈の枝である。左冠状動脈は大動脈基部の左側から起こり、肺動脈幹と左心耳の間を通って冠状溝に達した後、前室間枝として前室間溝を心尖へ下行する。右冠状動脈の終枝は後室間溝を下行する後室間枝である。
✓ 3. 正しい
肺動脈弁は大動脈弁の左前方に位置する。
4つの心臓弁を上面から見たとき、肺動脈弁は最も左前方、大動脈弁はその右後方にある。右心室から起こる肺動脈幹は心臓の前面で斜めに左上へ走るため、その基部の肺動脈弁は大動脈弁よりも前かつ左に位置する。大動脈弁の右後方に三尖弁、左後方に僧帽弁が並ぶ。4弁のうち最も前方にあるのが肺動脈弁、最も後方にあるのが僧帽弁であると整理でき、胸骨左縁第2肋間で肺動脈弁音(ⅡP)が最もよく聴取されるのもこの位置関係による。
✗ 4. 誤り
僧帽弁は3 枚の弁尖からなる。
僧帽弁は左の房室弁で、2枚の弁尖からなるので二尖弁とも呼ばれる。キリスト教の僧帽(ミトラ)が上下2枚の尖った布でできた形に似るため、この名がある。3枚の弁尖をもつ右の房室弁が三尖弁であり、混同しやすい。
ポイント
  • 心臓弁の空間配置は「前から肺動脈弁→大動脈弁→三尖弁→僧帽弁」の順で、最前方が肺動脈弁、最後方が僧帽弁である。
  • 覚え方のコツ: 弁の聴診部位を前面の目印にする。肺動脈弁は胸骨左縁第2肋間、大動脈弁は胸骨右縁第2肋間、三尖弁は胸骨下部、僧帽弁は心尖(第5肋間鎖骨中線)で、肺動脈弁が最も前かつ左と覚える。
  • 関連知識: 前室間枝は左冠状動脈の枝、後室間枝は右冠状動脈の枝。房室結節は右心房下壁、洞房結節は右心房の上大静脈開口部にある。
  • よくある間違い: 「大動脈が主役だから最前方」と誤解して大動脈弁を前方に置く誤答が多い。右心室から出る肺動脈幹こそ前方にあることを押さえる。
  • 臨床応用: 弁膜症の聴診では4弁の位置関係が基礎になる。大動脈弁狭窄症では胸骨右縁第2肋間で収縮期雑音、僧帽弁閉鎖不全症では心尖部で収縮期雑音、肺動脈弁領域の収縮期雑音は胸骨左縁第2肋間が最強点となる。
比較表
位置(前後) 由来する心腔 弁尖数
肺動脈弁 最前方・左 右心室→肺動脈幹 半月弁3枚
大動脈弁 肺動脈弁の右後方 左心室→大動脈 半月弁3枚
三尖弁 大動脈弁の右後方 右心房→右心室 3枚
僧帽弁 最後方・左 左心房→左心室 2枚
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題26|心臓について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題26|心臓について正しい記述はどれか。
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