
この図の解説
図は腹部を前から開き、左右の腎臓から膀胱へ下る尿管の全走行を示している。尿管は長さ約30cmの中空の管で、腹膜の後ろ(後腹膜)を下行し、蠕動運動によって尿を腎臓から膀胱へと少量ずつ運ぶ。図で赤丸に注目すると、途中に生理的な狭窄部位が3ヶ所あることがわかる。上から順に、①腎門付近の腎盂尿管移行部(第1狭窄)、②骨盤入口で総腸骨動脈と交わる総腸骨動脈交叉部(第2狭窄)、③膀胱壁を斜めに貫く膀胱壁貫通部(第3狭窄)である。走行途中では大腰筋の前を下り、精巣・卵巣動脈の後ろを通る位置関係も押さえたい。これらの狭窄部は管腔が細いため、尿路結石が引っかかって通過障害や激しい疝痛を起こしやすい。
学習の要点
- 尿管は長さ約30cmの管で、後腹膜を下行し蠕動運動(1分間に4〜5回)で尿を腎盂から膀胱へ送る。
- 覚え方のコツ:狭窄は上・中・下の3ヶ所。「出口(腎盂尿管移行部)→交差点(総腸骨動脈交叉部)→入口(膀胱壁貫通部)」と流れで覚える。
- 関連知識:膀胱壁を斜めに長く貫く構造は、膀胱に尿がたまると内圧で尿管が圧平され、尿の逆流を防ぐ弁の役割を果たす。
- よくある間違い:第2狭窄は「腹部大動脈」ではなく総腸骨動脈との交叉部。尿管は総腸骨動脈の前を横切る。
- 臨床応用:3ヶ所の狭窄部は尿路結石が停滞しやすく、結石が詰まると尿管疝痛(腰背部から鼠径部へ放散する激痛)を生じる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
尿管は長さ約( )cmの管で、蠕動運動によって尿を腎盂から膀胱へ運ぶ。
答えを見る
答え: 30
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。