学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0390

理由で解く 解剖学

Q0390 泌尿器系

出典:あマ指 第10回(2002) 問題29
問題
泌尿器について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 腎乳頭は腎臓髄質にある。
2 尿管は前立腺を貫く。
3 膀胱括約筋は平滑筋である。
4 尿道括約筋は横紋筋である。
解答
正解2(尿管は前立腺を貫く。)
解説
✗ 1.
腎乳頭は腎臓髄質にある。
✗ 正しい。 腎実質は表層の皮質と深部の髄質からなり、髄質はピラミッド状の腎錐体(8〜18個)で構成される。その先端が腎小杯内に突出する部分を腎乳頭と呼び、多数の乳頭孔から尿が腎小杯へ注がれる。したがって腎乳頭が腎髄質にあるのは正しい。
✓ 2. 誤り
尿管は前立腺を貫く。
本選択肢は解剖学的に誤っているため、設問の正答となる。尿管は腎盂から膀胱底に走る後腹膜器官であり、前立腺を貫かない。前立腺を貫くのは男性尿道(前立腺部)と射精管であり、尿管は膀胱壁を斜めに貫いて尿管口に開口する。尿管と前立腺は位置的にも生理的にも別系統であることを押さえる。
✗ 3.
膀胱括約筋は平滑筋である。
✗ 正しい。 膀胱括約筋(内尿道括約筋)は膀胱壁の筋層が内尿道口周囲で輪状に発達した平滑筋で、自律神経支配の不随意筋である。交感神経(下腹神経)の興奮で収縮して蓄尿に働き、副交感神経(骨盤内臓神経)の興奮で弛緩して排尿に寄与する。
✗ 4.
尿道括約筋は横紋筋である。
✗ 正しい。 尿道括約筋(外尿道括約筋)は尿生殖隔膜を貫く部位にある横紋筋の随意筋で、陰部神経(S2〜S4)の支配を受ける。大脳からの命令により意図的に弛緩させて初めて排尿が開始される。
ポイント
  • 尿管は膀胱底を貫くのみで前立腺を貫かない。前立腺を貫くのは男性尿道(前立腺部)と射精管。
  • 覚え方のコツ: 「尿管→膀胱へ」「尿道→前立腺→陰茎へ」と入口が別。尿管は後上方から膀胱へ、尿道は前下方へ抜けるとイメージする。
  • 関連知識: 腎乳頭→腎小杯→腎大杯→腎盂→尿管→膀胱→尿道が尿の流路。内外の尿道括約筋は筋種・神経支配が異なる。
  • よくある間違い: 尿管と尿道を混同する/膀胱括約筋を横紋筋と誤る/腎乳頭を皮質の構造と誤記する。
  • 臨床応用: 前立腺肥大は尿道前立腺部を圧迫するが尿管には直接影響しない。ただし高度肥大や膀胱尿管逆流で水腎症を招くことがある。
比較表
構造 貫通・通過する組織
尿管 後腹膜→大腰筋の前→総腸骨動脈前→膀胱壁
男性尿道 前立腺(前立腺部)→尿生殖隔膜(隔膜部)→尿道海綿体(海綿体部)
射精管 前立腺の中を斜走し尿道前立腺部へ開口
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題29|泌尿器について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題29|泌尿器について誤っている記述はどれか。
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