学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0391

理由で解く 解剖学

Q0391 泌尿器系

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題25
問題
女性の膀胱について誤っているのはどれか。
選択肢
1 小骨盤腔に位置する。
2 内面は移行上皮で覆われる。
3 直腸と子宮との間に位置する。
4 底部に尿管が開く。
解答
正解3(直腸と子宮との間に位置する。)
解説
✗ 1.
小骨盤腔に位置する。
✗ 正しい。 膀胱は骨盤腔のうち小骨盤腔前部、恥骨結合の後方に位置する。女性でも男性と同じく小骨盤腔内の前方領域に収まり、充満すると恥骨結合上縁を越えて下腹部に膨隆する。
✗ 2.
内面は移行上皮で覆われる。
✗ 正しい。 膀胱の粘膜は尿路上皮(移行上皮)で覆われ、伸展度に応じて細胞の形・層数を変える。収縮時は7〜8層で厚く、充満時は2層程度で扁平になり、内容量の変化に柔軟に対応する。
✓ 3. 誤り
直腸と子宮との間に位置する。
本選択肢が設問の誤りで、正答となる。女性の骨盤臓器配列は前方から順に「恥骨→膀胱→子宮→直腸」であり、膀胱は子宮の前方・直腸のさらに前方に位置する。したがって膀胱は「直腸と子宮の間」ではなく「恥骨と子宮の間」にある。子宮と直腸の間には直腸子宮窩(ダグラス窩)が、膀胱と子宮の間には膀胱子宮窩が形成される。男性であれば膀胱の後方に直腸が直接接するが、女性では子宮と腟が介在する点が重要である。
✗ 4.
底部に尿管が開く。
✗ 正しい。 左右の尿管は膀胱底を斜めに貫いて尿管口として開口し、尿管口と内尿道口が膀胱三角を囲む。「底部に尿管が開く」は膀胱底の尿管口を指し、正しい記述である。
ポイント
  • 女性骨盤では前から「膀胱→子宮→直腸」の順で臓器が並び、膀胱は子宮の前方。直腸と子宮の間に膀胱は位置しない。
  • 覚え方のコツ: 前→後に「ぼう(膀胱)・し(子宮)・ちょ(直腸)」と3音で覚える。腹膜反転でできる窩は「膀胱子宮窩」「直腸子宮窩」の2つ。
  • 関連知識: 直腸子宮窩(ダグラス窩)は腹膜腔の最下点で、腹水・膿・出血・子宮内膜症病変が貯留する部位として臨床上重要。
  • よくある間違い: 膀胱を「直腸と子宮の間」と記憶する/女性膀胱の後方に直腸が直接接すると誤る/膀胱三角の頂点に尿管口を含めない。
  • 臨床応用: 経腟超音波で膀胱子宮窩・ダグラス窩を観察し、腹水の有無や妊娠早期の出血評価を行う。骨盤臓器脱では膀胱が腟前壁から脱出する膀胱瘤を生じる。
比較表
位置(前→後) 男性 女性
最前方 恥骨結合 恥骨結合
膀胱 膀胱
(直腸膀胱窩) 子宮・腟
直腸 直腸
腹膜窩 直腸膀胱窩 膀胱子宮窩・直腸子宮窩(ダグラス窩)
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題25|女性の膀胱について誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題25|女性の膀胱について誤っているのはどれか。
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