学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0392

理由で解く 解剖学

Q0392 泌尿器系

出典:あマ指 第11回(2003) 問題25
問題
泌尿器について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 膀胱の上面は腹膜で覆われる。
2 腎杯の内面は移行上皮で覆われる。
3 膀胱の筋層は横紋筋である。
4 尿道括約筋は横紋筋である。
解答
正解3(膀胱の筋層は横紋筋である。)
解説
✗ 1.
膀胱の上面は腹膜で覆われる。
✗ 正しい。 「膀胱の上面は腹膜で覆われる」は正しい。膀胱は小骨盤腔前部、恥骨結合の後方に位置し、上面(膀胱頂〜膀胱体上部)のみが壁側腹膜に覆われる。前面・側面・下面(膀胱底)は腹膜外にある。膀胱上面の腹膜は女性では子宮に折り返って膀胱子宮窩を、男性では直腸に折り返って直腸膀胱窩を形成する。
✗ 2.
腎杯の内面は移行上皮で覆われる。
✗ 正しい。 「腎杯の内面は移行上皮で覆われる」は正しい。移行上皮(尿路上皮)は腎杯・腎盂・尿管・膀胱・尿道起始部までの尿路内面を連続して覆う特殊な上皮で、伸展度に応じて細胞の層数と形を変化させる。腎杯から膀胱まで同じ上皮で連続することは、尿路上皮癌がしばしば多発性・多巣性を呈する解剖学的根拠でもある。
✓ 3. 誤り
膀胱の筋層は横紋筋である。
本選択肢が設問の誤りで、正答となる。膀胱の筋層は「横紋筋」ではなく「平滑筋」である。膀胱壁には網状に錯綜する平滑筋束が発達し、これを排尿筋(detrusor muscle)という。排尿筋は副交感神経(骨盤内臓神経・S2〜S4由来)の興奮で収縮し、膀胱括約筋(内尿道括約筋)は弛緩して排尿が起こる。横紋筋でできているのは膀胱内尿道口の下方数cmにある外尿道括約筋(尿生殖隔膜内)で、こちらは体性神経(陰部神経)支配の随意筋である。両者を明確に区別する必要がある。
✗ 4.
尿道括約筋は横紋筋である。
✗ 正しい。 「尿道括約筋は横紋筋である」は正しい。ここでいう尿道括約筋は外尿道括約筋(尿生殖隔膜を構成する骨格筋)で、横紋筋から成り、陰部神経支配の随意筋である。大脳からの命令で意識的に尿道を締めて尿失禁を防ぎ、排尿時には弛緩して尿の流出を許す。なお、これと別に膀胱の出口には平滑筋性の内尿道括約筋があり、こちらは自律神経支配の不随意筋である。
ポイント
  • 膀胱壁の筋層は平滑筋(排尿筋)で、自律神経支配の不随意筋。横紋筋は外尿道括約筋のみ。
  • 覚え方のコツ: 「内は平滑・自律/外は横紋・随意」と2軸で対比暗記。膀胱全体=平滑筋の袋。
  • 関連知識: 排尿筋収縮→副交感神経(骨盤内臓神経)、内尿道括約筋収縮→交感神経(下腹神経)、外尿道括約筋収縮→体性神経(陰部神経)。3種の神経支配の役割分担。
  • よくある間違い: 膀胱筋層を横紋筋と誤答/内外の尿道括約筋の筋種を逆に覚える/腎杯上皮を単層扁平と誤認。
  • 臨床応用: 神経因性膀胱では脊髄損傷部位により排尿障害のパターンが異なる。仙髄より上位の障害では痙性膀胱(頻尿・切迫性尿失禁)、仙髄以下では弛緩性膀胱(溢流性尿失禁)を生じる。
比較表
筋種 神経支配 随意/不随意
排尿筋(膀胱壁) 平滑筋 骨盤内臓神経(副交感) 不随意
内尿道括約筋 平滑筋 下腹神経(交感) 不随意
外尿道括約筋 横紋筋 陰部神経(体性) 随意
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題25|泌尿器について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題25|泌尿器について誤っている記述はどれか。
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