学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ A. 鼻腔・副鼻腔 / Q0206

理由で解く 解剖学

Q0206 呼吸器系

出典:あマ指 第10回(2002) 問題28
問題
誤っている記述はどれか。
選択肢
1 鼻粘膜嗅部は鼻腔上部にある。
2 耳管は咽頭鼻部に開く。
3 鼻涙管は上鼻道に開く。
4 上顎洞は中鼻道に開く。
解答
正解3(鼻涙管は上鼻道に開く。)
解説
✗ 1.
鼻粘膜嗅部は鼻腔上部にある。
✗ 正しい。 記述は正しい。嗅部(嗅粘膜・嗅上皮)は上鼻甲介の上方から鼻中隔上部にかけての鼻腔天井部にあり、約2〜4cm²の狭い領域を占める。嗅細胞の軸索は篩板を貫いて嗅球へ至る。
✗ 2.
耳管は咽頭鼻部に開く。
✗ 正しい。 記述は正しい。耳管(耳管咽頭口)は咽頭鼻部(上咽頭)の側壁に開口する。中耳の換気を担い、鼓室内圧を外気圧と等圧に保つ。
✓ 3. 誤り
鼻涙管は上鼻道に開く。
これが誤った記述で、本問の解答である。鼻涙管は「下鼻道」の前部に開口するのであって、上鼻道には開口しない。上鼻道に開口するのは後篩骨蜂巣のみである。鼻涙管は眼窩内側の涙嚢から始まり、上顎骨の鼻涙管内を下降して下鼻道に到達する経路をとる。この「鼻涙管=下鼻道」は頻出事項で、副鼻腔の開口部と混同されやすい引っ掛けポイントである。鼻腔内の通路別開口部(中鼻道:3副鼻腔、上鼻道:後篩骨、下鼻道:鼻涙管、蝶篩陥凹:蝶形骨洞)を一覧で整理し、確実に覚える必要がある。
✗ 4.
上顎洞は中鼻道に開く。
✗ 正しい。 記述は正しい。上顎洞は中鼻道の外側壁にある半月裂孔を介して鼻腔と交通する。副鼻腔の中で最大で、歯根が近接するため歯性上顎洞炎の原因ともなる。
ポイント
  • 鼻涙管は下鼻道に開くのが原則で、上鼻道ではない。上鼻道に開くのは後篩骨蜂巣のみ。
  • 覚え方のコツ: 「上鼻道=後(うしろ)篩骨、下鼻道=涙(なみだ)管、中鼻道=前・上・前中、蝶篩陥凹=蝶」と4点で暗唱する。
  • 関連知識: 嗅部(嗅上皮)は上鼻甲介上方+鼻中隔上部、キーゼルバッハ部位は鼻中隔前下部、耳管は咽頭鼻部に開口と、鼻腔周囲の部位を立体的に整理。
  • よくある間違い: 鼻涙管と副鼻腔の開口部を混同し「上鼻道」「中鼻道」と答えてしまうケースが多い。位置関係(眼窩→下方に涙が落ちる)から連想するとよい。
  • 臨床応用: 上咽頭がん(鼻咽頭がん)は耳管咽頭口付近に発生しやすく、耳管閉塞による伝音難聴が初発症状となることがある。
比較表
鼻腔内の通路 開口するもの
中鼻道 上顎洞・前頭洞・前&中篩骨蜂巣
上鼻道 後篩骨蜂巣
下鼻道 鼻涙管
蝶篩陥凹 蝶形骨洞
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題28|誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題28|誤っている記述はどれか。
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