学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0367

理由で解く 解剖学

Q0367 泌尿器系

出典:鍼灸 第9回(2001) 問題24
問題
腎小体について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 腎臓の皮質に存在する。
2 糸球体に出入りする血管は動脈である。
3 腎小体の一端から尿管が続く。
4 ネフロンを構成する。
解答
正解3(腎小体の一端から尿管が続く。)
解説
✗ 1.
腎臓の皮質に存在する。
✗ 正しい。 「腎臓の皮質に存在する」は正しい。腎小体は直径約0.2mmの球状の小体で、腎の表層の皮質に散在し、片腎あたり約100万個分布する。髄質の腎錐体内には存在しない。
✗ 2.
糸球体に出入りする血管は動脈である。
✗ 正しい。 「糸球体に出入りする血管は動脈である」は正しい。糸球体へは小葉間動脈から分かれた輸入細動脈が入り、糸球体を出るのも輸出細動脈である。動脈が毛細血管を挟んで再び動脈に続く「奇網(wonder net)」の構造をとり、これにより濾過に必要な高い血圧が維持される。
✓ 3. 誤り
腎小体の一端から尿管が続く。
本選択肢が設問の誤りで、正答となる。腎小体の一端(尿管極)から続くのは「尿管」ではなく「尿細管(近位尿細管)」である。尿細管は全長3〜4cmに及び、近位尿細管・ヘンレループ・遠位尿細管を経て集合管となり、複数の集合管が集まって腎乳頭の先端で腎杯に開口する。腎杯→腎盂→尿管という順に尿路をたどるのであって、腎小体が直接尿管につながるのではない。名称が1字違いで混同しやすいが、組織レベルの「尿細管」と肉眼レベルの「尿管」は全く異なる構造である。
✗ 4.
ネフロンを構成する。
✗ 正しい。 「ネフロンを構成する」は正しい記述である。ネフロンは腎臓が尿をつくる機能単位で、腎小体(糸球体+ボウマン嚢)と、それに続く尿細管(近位尿細管・ヘンレループ・遠位尿細管)の組合せをいう。片腎あたり約100万個のネフロンが存在する。集合管は複数のネフロンの遠位尿細管を受け取り尿を乳頭まで運ぶが、厳密にはネフロンには含めない。
ポイント
  • 腎小体(糸球体+ボウマン嚢)+尿細管=ネフロン。腎小体から続くのは「尿細管」であって「尿管」ではない。
  • 覚え方のコツ: 「ネフロン=小体+細管」、「尿細管(ミクロ)→集合管→乳頭→腎杯→腎盂→尿管(マクロ)」の順を一本の流れで図に書く。
  • 関連知識: 糸球体は輸入細動脈→糸球体毛細血管→輸出細動脈という「奇網」構造で、毛細血管を動脈で挟むことで高い濾過圧が生まれる。
  • よくある間違い: 「尿細管」と「尿管」の1字違いを読み落とす/集合管をネフロンに含めてしまう/腎小体が髄質にあると誤る。
  • 臨床応用: 糸球体腎炎では糸球体基底膜や足細胞が傷害され、血尿・蛋白尿・ネフローゼ症候群を呈する。ネフロンの約50%が失われると慢性腎不全へ進行する。
比較表
構造 レベル 構成
腎小体 顕微 糸球体 + ボウマン嚢
尿細管 顕微 近位尿細管・ヘンレループ・遠位尿細管
ネフロン 機能単位 腎小体 + 尿細管(片腎約100万個)
集合管 顕微 複数ネフロンの尿細管を受ける(ネフロンに含めず)
尿管 肉眼 腎盂〜膀胱をつなぐ全長25〜30cmの管
解説画像
鍼灸 第9回(2001) 問題24|腎小体について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第9回(2001) 問題24|腎小体について誤っている記述はどれか。
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