学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0366

理由で解く 解剖学

Q0366 泌尿器系

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題24
問題
腎臓について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 腎小体は皮質に存在する。
2 近位尿細管はボーマン嚢に起始する。
3 ヘンレループは髄質に存在する。
4 集合管の粘膜上皮は移行上皮である。
解答
正解4(集合管の粘膜上皮は移行上皮である。)
解説
✗ 1.
腎小体は皮質に存在する。
✗ 正しい。 「腎小体は皮質に存在する」は正しい。腎小体(糸球体+ボウマン嚢)は腎の表層の皮質に散在し、片腎あたり約100万個存在する。髄質の腎錐体内には腎小体は含まれない。
✗ 2.
近位尿細管はボーマン嚢に起始する。
✗ 正しい。 「近位尿細管はボウマン嚢に起始する」は正しい。ボウマン嚢の尿管極から近位尿細管が始まり、皮質内で屈曲しながら走行し、ヘンレループへ続く。近位尿細管は尿細管のうち最も太く、刷子縁をもつ単層立方上皮で構成され、原尿の大部分(約65〜70%)を再吸収する。
✗ 3.
ヘンレループは髄質に存在する。
✗ 正しい。 「ヘンレループは髄質に存在する」は正しい。近位尿細管に続くヘンレループは下行脚で髄質深部に入り、Uターンして上行脚で皮質まで戻る。髄質の浸透圧勾配(対向流増幅系)に深く関与し、尿の濃縮機構の中心をなす。
✓ 4. 誤り
集合管の粘膜上皮は移行上皮である。
集合管の上皮は移行上皮ではなく「単層立方〜単層円柱上皮」である。移行上皮(尿路上皮)は尿量に応じて厚さを変えることができる特殊な上皮で、腎杯・腎盂・尿管・膀胱・尿道起始部などの「尿路」の粘膜にみられる。集合管は腎実質内で原尿から水や電解質の再吸収を担う区間で、バゾプレッシンに応答するために主細胞(単層立方上皮)と介在細胞(酸・塩基調節)からなる。尿路と尿細管・集合管は上皮が別物であり、集合管を移行上皮と混同するのは典型的な誤りで、本問の解答となる。
ポイント
  • 集合管の上皮は単層立方〜円柱上皮で、移行上皮ではない。移行上皮は腎杯・腎盂・尿管・膀胱など「尿路」の粘膜である。
  • 覚え方のコツ: 「実質=単層上皮/尿路=移行上皮」。腎臓の中の管(尿細管・集合管)は薄い単層、尿を貯めて伸び縮みする路(尿管・膀胱)は厚い移行上皮。
  • 関連知識: 近位尿細管は刷子縁を持つ単層立方上皮、遠位尿細管・集合管も単層立方上皮、集合管の主細胞はバゾプレッシン受容体を介してアクアポリンを発現し水を再吸収する。
  • よくある間違い: 集合管を尿路と同じ移行上皮と思い込む/ヘンレループを皮質に位置づける/近位尿細管の起始部を遠位尿細管と取り違える。
  • 臨床応用: 移行上皮癌(尿路上皮癌)は腎盂・尿管・膀胱に生じるが、集合管は単層上皮のため別組織型(集合管癌:ベリニ管癌)となり、治療方針が異なる。
比較表
構造 上皮の種類 主な機能
近位尿細管 単層立方上皮(刷子縁あり) 原尿の大部分を再吸収
ヘンレループ 単層扁平〜立方上皮 対向流増幅系で髄質浸透圧を形成
遠位尿細管・集合管 単層立方〜円柱上皮(主細胞/介在細胞) ホルモン応答性の水・電解質再吸収
腎杯・腎盂・尿管・膀胱 移行上皮(尿路上皮) 尿量による伸縮に対応、尿の搬送・貯留
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題24|腎臓について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題24|腎臓について誤っている記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手