学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0365

理由で解く 解剖学

Q0365 泌尿器系

出典:あマ指 第7回(1999) 問題26
問題
腎臓について正しい記述はどれか。
選択肢
1 腎盂から尿道が始まる。
2 靭帯に支えられている。
3 腎柱から尿が放出される。
4 皮質は血管が豊富である。
解答
正解4(皮質は血管が豊富である。)
解説
✗ 1. 誤り
腎盂から尿道が始まる。
腎盂(腎盤)から始まるのは尿道ではなく「尿管」である。腎盂は腎門で尿管に移行し、尿管が膀胱まで尿を運ぶ。尿道はさらに下流で膀胱の下面から体外へ開く管で、腎盂とは直接つながらない。
✗ 2. 誤り
靭帯に支えられている。
腎臓は靭帯ではなく、脂肪組織(脂肪被膜)とそれを覆う腎筋膜、そして周囲の腹筋によって支えられる。腎筋膜は上方で横隔膜につながるため呼吸運動とともに上下に移動し、脂肪が減ると遊走腎(下垂腎)を生じうる。
✗ 3. 誤り
腎柱から尿が放出される。
腎柱は髄質の腎錐体の間に入り込んだ皮質組織(=皮質迷路の延長)で、血管や腎小体を含むが、尿を通す管路ではない。尿が放出されるのは腎乳頭(腎錐体の先端)で、そこから腎杯・腎盂・尿管へと流れる。腎柱と腎乳頭を混同しない。
✓ 4. 正しい
皮質は血管が豊富である。
腎の皮質には腎小体(糸球体)と尿細管周囲の毛細血管網が密に分布し、血管が非常に豊富である。そのため肉眼的には皮質は暗赤色を呈し、蒼白にみえる髄質(腎錐体)と明瞭に区別できる。腎血流の大部分は皮質に向かい、心拍出量の約20%が両腎に流れ込んでそのほとんどが皮質で糸球体濾過に利用されるため、皮質は全身でも単位重量あたりの血流が最も多い組織の一つである。したがって「皮質は血管が豊富である」という記述は正しく、本問の解答となる。
ポイント
  • 腎皮質は糸球体と毛細血管網で満たされ血管が豊富、暗赤色。髄質(腎錐体)は蒼白で血管は相対的に少ない。
  • 覚え方のコツ: 色で覚える。「皮質=暗赤(血管多)/髄質=蒼白(尿細管・集合管多)」。色の違いは血管密度の差そのもの。
  • 関連知識: 尿は「腎乳頭→腎杯→腎盂→尿管→膀胱→尿道」の順に流れる。腎は脂肪被膜と腎筋膜に包まれ、靭帯ではなく脂肪と筋膜で支持される。
  • よくある間違い: 「腎盂から尿道」と短絡する(間に尿管・膀胱が挟まる)/腎柱と腎乳頭を取り違える/腎が靭帯で固定されていると誤解する。
  • 臨床応用: 腎皮質壊死は皮質全層の血流途絶により生じ、妊娠合併症(常位胎盤早期剥離)・敗血症などで発症する。皮質の血管豊富性を反映して造影CTでは早期相で強く造影される。
解説画像
あマ指 第7回(1999) 問題26|腎臓について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第7回(1999) 問題26|腎臓について正しい記述はどれか。
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