
この図の解説
この図は気管を輪切りにした横断面である。まず全体の輪郭に注目すると、内腔をぐるりと囲む気管軟骨がU字(馬蹄形)をなし、後壁だけが軟骨を欠いて平らになっている。この軟骨を欠く後壁が膜性壁で、粘膜と平滑筋だけからなり、ちょうど背側で食道が接する部位にあたる。内腔側から壁の層を追うと、多列線毛上皮・粘膜固有層・粘膜下組織があり、その外側に馬蹄形の気管軟骨、最外層が外膜となる。膜性壁の平滑筋は自律神経の支配を受け、交感神経(アドレナリンβ受容体)で弛緩・拡張、副交感神経(ムスカリン受容体)で収縮する。気管は約20個のこの馬蹄形軟骨が積み重なってできた、長さ10〜13cmの管である。
学習の要点
- 気管壁は約20個の馬蹄形(U字)の気管軟骨と、後壁の軟骨を欠く膜性壁からなる。
- 覚え方のコツ: 「馬蹄=Uの字、開いた口は後ろ向き」。開いた側(後壁)=膜性壁=食道が接する側とセットで覚える。
- 関連知識: 膜性壁は食道の前面に接する。飲み込んだ食物は食道を通るため、軟骨がなく柔らかい膜性壁側が食道に面していると通過の妨げになりにくい。
- よくある間違い: 気管軟骨を「輪状(リング状)」と勘違いしやすいが、全周を囲むのではなく後壁が開いたU字。全周を囲む輪状軟骨は喉頭の軟骨で別物。
- 臨床応用: 前頸部では体表から気管軟骨を触れることができ、気道確保のための気管切開では膜性壁ではなく前方の軟骨部を切り開く。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。