学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0360

理由で解く 解剖学

Q0360 泌尿器系

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題23
問題
ネフロン(腎単位)について誤っているのはどれか。
選択肢
1 糸球体は毛細血管で形成される。
2 ボーマン嚢は糸球体を包んでいる。
3 遠位尿細管はボーマン嚢の尿管極から始まる。
4 緻密斑は遠位尿細管の一部に形成される。
解答
正解3(遠位尿細管はボーマン嚢の尿管極から始まる。)
解説
✗ 1.
糸球体は毛細血管で形成される。
✗ 正しい。 糸球体は輸入細動脈から枝分かれした毛細血管が糸玉状に集まったもので、ボウマン嚢に包まれて腎小体を構成する。毛細血管内皮の小孔・基底膜・足細胞突起の3層からなる濾過膜で血漿を濾過し、原尿をつくる出発点となる。
✗ 2.
ボーマン嚢は糸球体を包んでいる。
✗ 正しい。 ボウマン嚢は糸球体を外側から包み込む二重の上皮性の袋で、臓側葉(足細胞)と壁側葉からなり、両者の間のボウマン腔に濾過された原尿を集める。糸球体+ボウマン嚢を合わせて腎小体と呼ぶ。
✓ 3. 誤り
遠位尿細管はボーマン嚢の尿管極から始まる。
ボウマン嚢の尿管極から始まるのは遠位尿細管ではなく「近位尿細管」である。尿細管は近位尿細管→ヘンレループ(下行脚・上行脚)→遠位尿細管→集合管の順で走行し、近位尿細管が最初にボウマン嚢につながる区分である。遠位尿細管はヘンレループの上行脚を経て皮質に戻ってから走る部分で、自身の起始点となっている腎小体の血管極付近を再び通過し、そこで緻密斑を形成して傍糸球体装置に参加する。したがって「遠位尿細管はボウマン嚢の尿管極から始まる」という記述は部位的にも順序的にも誤りで、本問の解答となる。
✗ 4.
緻密斑は遠位尿細管の一部に形成される。
✗ 正しい。 緻密斑は遠位尿細管の壁の一部で、対応する腎小体の血管極付近を通過する際に、高く密に配列した上皮細胞群として形成される。遠位尿細管内の尿中Na⁺濃度を感知し、輸入細動脈壁の傍糸球体細胞と共同で傍糸球体装置を形成してレニン分泌を調節する。
ポイント
  • ネフロン=腎小体(糸球体+ボウマン嚢)+尿細管(近位→ヘンレ→遠位)。集合管は複数のネフロンが合流する共用路でネフロンに含めない。
  • 覚え方のコツ: 尿の流れ順「糸球体→ボウマン嚢→近位→ヘンレ→遠位→集合管→乳頭→杯→盂」を一本の線でなぞる。ボウマン嚢の「出口(尿管極)」に最初に続くのは“近”い=近位尿細管。
  • 関連知識: 緻密斑は遠位尿細管側で、血管極側の傍糸球体細胞と組んで傍糸球体装置(JGA)を形成しレニン分泌を担う。血管極と尿管極の対応関係が重要。
  • よくある間違い: 「遠位尿細管がボウマン嚢から始まる」と順序を逆に覚える/集合管をネフロンに含めてしまう/腎小体を「糸球体だけ」と答える(正しくは糸球体+ボウマン嚢)。
  • 臨床応用: 糸球体腎炎では濾過膜(基底膜・足細胞)の傷害でタンパク尿・血尿が出現。傍糸球体装置からのレニン分泌異常は腎血管性高血圧の病態基盤となる。
比較表
区分 含まれる構造 主な機能
腎小体 糸球体+ボウマン嚢 血漿の濾過(原尿の生成)
尿細管 近位尿細管→ヘンレループ→遠位尿細管 水・電解質・栄養素の再吸収/分泌
(ネフロン外) 集合管 バゾプレッシンによる水再吸収・尿の濃縮
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題23|ネフロン(腎単位)について誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題23|ネフロン(腎単位)について誤っているのはどれか。
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