学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ A. 鼻腔・副鼻腔 / Q0201

理由で解く 解剖学

Q0201 呼吸器系

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題22
問題
上顎洞が開口する部位はどれか。
選択肢
1 総鼻道
2 上鼻道
3 中鼻道
4 下鼻道
解答
正解3(中鼻道)
解説
✗ 1. 誤り
総鼻道
総鼻道は鼻中隔と上・中・下の各鼻甲介の内側縁との間にできる縦に長い共通の通路で、単に空気の流れ道として働く。総鼻道そのものに副鼻腔が直接開口することはなく、上顎洞の開口部は鼻甲介の下にある鼻道にある。
✗ 2. 誤り
上鼻道
上鼻道は上鼻甲介の下方にある短い通路で、ここに開口するのは後篩骨蜂巣のみである。上顎洞は中鼻道の外側壁に半月裂孔を介して開くため、上鼻道には開口しない。
✓ 3. 正しい
中鼻道
上顎洞は副鼻腔の中で最大の空洞で、上顎骨体内に位置し、中鼻道の外側壁にある半月裂孔を介して鼻腔と交通する。中鼻道には上顎洞のほかに前頭洞・前篩骨蜂巣・中篩骨蜂巣が開口する。上顎洞の開口部位が洞の上方にあるため、立位では自然排泄が困難で、膿が貯留しやすく副鼻腔炎(蓄膿症)の好発部位となる。「上顎洞=中鼻道」の対応は副鼻腔開口部の基本中の基本として押さえる必要がある。
✗ 4. 誤り
下鼻道
下鼻道は下鼻甲介の下方の通路で、ここには副鼻腔は開口せず、眼窩から涙液を運ぶ鼻涙管のみが開口する。上顎洞の開口部は中鼻道であり、下鼻道ではない。
ポイント
  • 上顎洞は副鼻腔中最大で、中鼻道の半月裂孔を介して鼻腔と交通する。
  • 覚え方のコツ: 「中鼻道には三兄弟(上顎洞・前頭洞・前&中篩骨蜂巣)」と覚え、後篩骨蜂巣だけ上鼻道、蝶形骨洞だけ蝶篩陥凹と分ける。
  • 関連知識: 上顎洞は上顎骨体内にあり、底は臼歯(特に大臼歯)の歯根に近接するため、歯性上顎洞炎の原因となる。
  • よくある間違い: 「副鼻腔は全部中鼻道」と丸暗記すると、後篩骨蜂巣(上鼻道)と蝶形骨洞(蝶篩陥凹)の例外で失点する。
  • 臨床応用: 上顎洞の自然口は洞の上方にあり立位では排膿が重力に逆らうため、膿汁が貯留しやすく慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の最多発部位となる。治療では自然口から洗浄器を挿入する洞洗が行われる。
比較表
副鼻腔 主な開口部
前頭洞 中鼻道
上顎洞 中鼻道(半月裂孔)
前・中篩骨蜂巣 中鼻道
後篩骨蜂巣 上鼻道
蝶形骨洞 蝶篩陥凹(鼻腔後上方)
鼻涙管(副鼻腔ではない) 下鼻道
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題22|上顎洞が開口する部位はどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題22|上顎洞が開口する部位はどれか。
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