学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0358

理由で解く 解剖学

Q0358 泌尿器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題26
問題
腎臓について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 線維性被膜で包まれる。
2 腎動脈は腹大動脈の枝である。
3 右腎は左腎より高い位置にある。
4 腹膜後器官である。
解答
正解3(右腎は左腎より高い位置にある。)
解説
✗ 1.
線維性被膜で包まれる。
✗ 正しい。 腎臓表面は線維性被膜(結合組織膜)で密に包まれ、その外側に脂肪被膜・腎筋膜(ゲロタ筋膜)が重なる。被膜構造が腎を外力から保護し、被膜炎症(たとえば腎梗塞や腎盂腎炎)が叩打痛の原因となる。
✗ 2.
腎動脈は腹大動脈の枝である。
✗ 正しい。 腎動脈は第1腰椎の高さで腹大動脈の左右から対をなして出る太い有対性臓側枝で、腎門から腎実質に入る。腹大動脈の直接枝である点は正しい。
✓ 3. 誤り
右腎は左腎より高い位置にある。
右腎は肝臓の下面に圧されて、左腎よりも椎体約半個分低い位置(第12胸椎〜第3腰椎高位)にある。左腎は第11胸椎〜第2腰椎の高さで、右腎より高い。したがって「右腎が左腎より高い」は左右逆で誤り(=正解)。この上下差は画像診断(腎エコー・CT)の解釈でも基礎となる解剖学的事実で、肝臓との位置関係が右腎の走行や形態に影響する。
✗ 4.
腹膜後器官である。
✗ 正しい。 腎臓は後腹膜に位置する代表的な後腹膜臓器(腹膜後器官)で、腹膜の後方に脂肪組織に包まれて存在する。尿管・副腎とともに泌尿器系後腹膜臓器を構成し、腹膜腔内臓器とは隔てられる。
ポイント
  • 右腎は左腎より約半椎体分低い位置にある(肝臓に圧されるため)。腎は後腹膜臓器で線維性被膜・脂肪被膜・腎筋膜の3層で守られる。
  • 覚え方のコツ: 「右は肝で押されて低い、左は高い」。右腎=T12〜L3、左腎=T11〜L2とレベルで覚える。
  • 関連知識: 腎動脈は第1腰椎高で腹大動脈側面から出る。右腎動脈は下大静脈の深層を通る走行を取る。
  • よくある間違い: 左右差を「心臓があるから左が低い」と誤推測する。腎の位置を決めるのは肝臓の存在で、右が低い。
  • 臨床応用: 右腎摘出は肝臓を避ける必要があり、左腎より手術アプローチが複雑になることがある。右腎動脈は下大静脈の後ろを通るため、IVCフィルター留置時の解剖学的位置関係が重要。
比較表
項目 右腎 左腎
高位 T12〜L3(低い) T11〜L2(高い)
上位に接する臓器 肝臓 脾臓・胃
腎動脈の走行 下大静脈の後ろ 比較的直線
腎静脈 短い 長い(大動脈前を横切る)
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題26|腎臓について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題26|腎臓について誤っている記述はどれか。
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