学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ D. 肺・胸膜・縦隔 / Q0249

理由で解く 解剖学

Q0249 呼吸器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題25
問題
肺について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 表面は胸膜で覆われている。
2 左肺は3 葉からなる。
3 肺動脈は肺門を通る。
4 肺尖は鎖骨の上方にまで達している。
解答
正解2(左肺は3 葉からなる。)
解説
✗ 1.
表面は胸膜で覆われている。
✗ 正しい。 肺の表面は臓側胸膜で覆われている。臓側胸膜は裂の奥まで入り込んで肺の各葉の表面に密着しており、肺門で折れ返って胸壁内面をおおう壁側胸膜へ移行する。肺表面を胸膜で覆うという記述は正しい。
✓ 2. 誤り
左肺は3 葉からなる。
左肺は3葉ではなく2葉(上葉・下葉)に分かれる。3葉に分かれるのは右肺で、水平裂と斜裂により上・中・下葉が形成される。左肺では心臓が胸腔の左側に偏って存在するため右肺より容積が小さく、右肺の中葉に発生学的・形態学的に相当する部位は左上葉の下部に「舌区(舌状部)」として組み込まれているにとどまり、独立した葉を形成しない。このため左肺の裂は斜裂一本のみである。
✗ 3.
肺動脈は肺門を通る。
✗ 正しい。 肺動脈は右心室から出て肺動脈幹を経て左右に分かれ、肺門から肺内へ入る。肺門からは気管支・肺動脈・肺静脈・気管支動静脈・リンパ管・神経がまとめて出入りし、これらの束を肺根と呼ぶ。肺動脈が肺門を通るという記述は正しい。
✗ 4.
肺尖は鎖骨の上方にまで達している。
✗ 正しい。 肺尖は肺の頂点で鎖骨の上方2〜3cmに達し、胸郭上口を越えて頸部下端の大鎖骨上窩付近まで突出する。このため鎖骨上窩での穿刺や鈍的外傷は気胸を起こしうる。鎖骨の上方に達するという記述は正しい。
ポイント
  • 左肺は2葉(上葉・下葉)、右肺は3葉(上葉・中葉・下葉)。左の舌区は独立した中葉ではなく左上葉の下部に含まれる。
  • 覚え方のコツ: 「右は多く3葉、左は心臓のため2葉」で数を記憶。左の舌区は「左上葉の舌」と身体感覚で覚える。肺門通過物「気管支・動脈・静脈+栄養血管(気管支動静脈)+神経+リンパ」で6系統。
  • 関連知識: 肺動脈は静脈血(O2含量の低い血液)を肺へ運び、肺静脈は動脈血(O2含量の高い血液)を左心房へ返す。肺の栄養血管は胸大動脈から分岐する気管支動脈で、肺動脈とは別系統の機能血管・栄養血管の二重支配。
  • よくある間違い: 左肺を3葉と誤答する/舌区を独立した中葉と混同する/肺動脈と気管支動脈の役割を取り違える/肺尖の到達高さを「鎖骨と同じ」と誤認する。
  • 臨床応用: 肺がんの外科切除では肺葉切除術・区域切除術・部分切除術が選択され、肺区域の独立性(血管・気管支が独立)が切除の解剖学的根拠となる。舌区切除は左上葉部分切除として独立に施行可能である。
比較表
構造 右肺 左肺
肺葉 3葉(上・中・下) 2葉(上・下)
水平裂+斜裂 斜裂のみ
肺区域 10区域 9区域(舌区含む)
舌区 なし 左上葉下部に存在
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題25|肺について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題25|肺について誤っている記述はどれか。
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