学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ J. 膵臓 / Q0350

理由で解く 解剖学

Q0350 消化器系

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題21
問題
膵臓について正しい記述はどれか。
選択肢
1 後腹膜器官である。
2 膵尾は十二指腸に付着する。
3 肝臓の下面に隣接する。
4 膵管は幽門に開口する。
解答
正解1(後腹膜器官である。)
解説
✓ 1. 正しい
後腹膜器官である。
膵臓は第1〜第2腰椎の前面を水平に横走し、前面のみが腹膜に覆われ後面は結合組織により後腹壁に直接付着する、典型的な腹膜後(後腹膜)臓器である。同じく後腹膜臓器に分類されるのは十二指腸の下行部〜水平部、上行結腸・下行結腸、腎臓・副腎、尿管、腹大動脈、下大静脈などであり、英語の語呂「SAD PUCKER」(S状結腸根部・上行結腸・十二指腸・膵臓・尿管・下行結腸・腎臓・食道下部・直腸)で覚えられる。後腹膜という位置は呼吸・姿勢による可動性をほぼ失わせ、病変が起こると炎症が後腹膜腔に広がり背部痛や後腹膜血腫として現れやすい。
✗ 2. 誤り
膵尾は十二指腸に付着する。
十二指腸に接するのは膵尾ではなく「膵頭」である。膵頭はC字形に彎曲した十二指腸の凹側に抱かれる形で収まり、そこで主膵管と総胆管が合流して大十二指腸乳頭を形成する。膵尾は反対側(左上方)へ伸びて脾臓門に達する。左右・前後を取り違えやすい頻出の誤答である。
✗ 3. 誤り
肝臓の下面に隣接する。
膵臓は肝臓の下面とは隣接していない。肝臓の下面(臓側面)に接するのは胃・十二指腸の上部(球部)・横行結腸・右腎などで、膵臓はこれらよりさらに後方・下方に位置する。むしろ膵臓の上方には胃の後壁が網嚢を介して接し、肝臓との間には胃・小網・網嚢が介在している。
✗ 4. 誤り
膵管は幽門に開口する。
主膵管は胃の幽門ではなく「十二指腸下行部」の大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に総胆管と合流して開口する。幽門は胃の出口で、胃幽門部→十二指腸球部の境界をなす括約筋構造であり、膵管とは直接連絡しない。胃と膵の位置関係を整理して記憶することが重要である。
ポイント
  • 膵臓は後腹膜臓器であり前面のみが腹膜で覆われる。腹膜後臓器一覧:十二指腸(球部以外)・膵臓・上行/下行結腸・腎臓・副腎・尿管・腹大動脈・下大静脈。
  • 覚え方のコツ: 腹膜後臓器の語呂「SAD PUCKER」。腹膜内臓器は「胃・空腸・回腸・横行結腸・S状結腸・肝臓・脾臓」。前者は可動性なし、後者は間膜で自由。
  • 関連知識: 胃と膵臓の間には網嚢(小腹膜腔)があり、胃背面の腹膜と膵前面の腹膜が網嚢の後壁を形成する。網嚢は肝十二指腸間膜後方の網嚢孔(ウィンスロー孔)で腹膜腔本体と連絡。
  • よくある間違い: 膵尾と膵頭の接触臓器を逆に覚える/膵管開口部を幽門と誤る/膵臓を腹膜内臓器と誤解する。
  • 臨床応用: 急性膵炎では膵液が後腹膜腔に漏出し、後腹膜を伝って側腹部皮下出血(Grey Turner徴候)や臍周囲出血(Cullen徴候)を呈する。膵がんの肝転移は門脈経由が主経路。
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題21|膵臓について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題21|膵臓について正しい記述はどれか。
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