学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ J. 膵臓 / Q0349

理由で解く 解剖学

Q0349 消化器系

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題21
問題
膵臓について正しいのはどれか。
選択肢
1 膵頭部は脾臓に接する。
2 腹膜で全体が覆われる。
3 膵管は十二指腸に開口する。
4 ランゲルハンス島は膵頭部に多い。
解答
正解3(膵管は十二指腸に開口する。)
解説
✗ 1. 誤り
膵頭部は脾臓に接する。
脾臓に接するのは膵頭ではなく「膵尾」である。膵臓は右から頭・体・尾の3部に区分され、膵頭は十二指腸のC字凹部に抱かれ、膵尾は左上方へ伸びて脾臓門に達する。左右の接触関係を取り違えやすい頻出ポイントである。
✗ 2. 誤り
腹膜で全体が覆われる。
膵臓は前面のみが腹膜に覆われる「腹膜後臓器(後腹膜臓器)」であり、全周が腹膜に包まれるのではない。後面は結合組織により後腹壁に直接固定されている。全周を臓側腹膜に包まれる腹膜内臓器は胃・空腸・回腸・横行結腸・S状結腸・肝臓・脾臓などで、膵臓とは明確に区別される。
✓ 3. 正しい
膵管は十二指腸に開口する。
膵液を集める主膵管(Wirsung管)は膵尾から膵頭部へ膵実質中央を走り、膵頭部で総胆管と合流して十二指腸下行部(第2部)の内壁にある大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口する。開口部は粘膜側に小さな隆起として見え、オッディ括約筋が膵液・胆汁の排出を調節する。さらに副膵管(Santorini管)は主膵管の上方を並走して小十二指腸乳頭に別途開口するが、これは発生学的に腹側膵原基と背側膵原基の融合で生じる二重管構造の名残である。すなわち膵液の排出経路は「主膵管+総胆管→大十二指腸乳頭」という共通排出路を原則とし、食餌消化のタイミングに合わせて十二指腸内腔に膵液を放出する。
✗ 4. 誤り
ランゲルハンス島は膵頭部に多い。
ランゲルハンス島は膵頭部ではなく「膵尾部」に多く分布する。全体として約100万個が外分泌腺房の間に散在するが、密度は膵尾側で最大となる。方向を反対に問う定番の誤答であり、膵尾の「尾」の語感と islet(小さな島)を結びつけて覚えると間違いにくい。
ポイント
  • 主膵管は総胆管と合流して大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口し、オッディ括約筋で排出調節される。副膵管は小十二指腸乳頭に別途開口。
  • 覚え方のコツ: 「主+総→大乳頭/副→小乳頭」の対応関係で記憶。主・副の両膵管は発生時の背側膵原基と腹側膵原基の融合の名残。
  • 関連知識: オッディ括約筋は3群(胆管括約筋・膵管括約筋・共通括約筋)からなる複合括約筋で、コレシストキニンにより弛緩して膵液・胆汁を一気に排出する。
  • よくある間違い: 膵管を空腸・幽門に開口と誤る/膵頭部を脾臓接触と誤る/膵尾に多い膵島を膵頭と取り違える。
  • 臨床応用: 胆石が大十二指腸乳頭に嵌頓すると胆汁・膵液の逆流による急性膵炎(胆石性膵炎)を引き起こす。膵管非癒合(分離膵)は副膵管主体の排出となり膵炎の誘因となる。
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題21|膵臓について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題21|膵臓について正しいのはどれか。
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