学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ D. 食道 / Q0282

理由で解く 解剖学

Q0282 消化器系

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題20
問題
食道について正しいのはどれか。
選択肢
1 縦隔を通る。
2 第 3 頸椎の高さで始まる。
3 食道下部の筋層は横紋筋である。
4 粘膜上皮は多列線毛上皮からなる。
解答
正解1(縦隔を通る。)
解説
✓ 1. 正しい
縦隔を通る。
食道は第6頸椎の高さで咽頭から始まり、気管の後方を下降して胸郭上口から胸腔に入る。胸腔内では心臓・気管・大動脈などが収められた胸郭中央の縦隔(後縦隔)を通過し、横隔膜の食道裂孔(第10胸椎の高さ)を貫いて腹腔の胃(噴門)に達する。したがって食道は後縦隔の重要な臓器の一つであり、心臓の後方をまっすぐ下降する。
✗ 2. 誤り
第 3 頸椎の高さで始まる。
食道が始まる高さは第6頸椎(輪状軟骨の後ろ)である。第3頸椎は舌骨や喉頭蓋などがある高さで、食道の起点ではない。
✗ 3. 誤り
食道下部の筋層は横紋筋である。
食道の筋層は上部1/3が骨格筋(横紋筋)、中部1/3は混在、下部1/3は平滑筋で構成される。そのため食道下部は平滑筋であり、横紋筋ではない。
✗ 4. 誤り
粘膜上皮は多列線毛上皮からなる。
食道の粘膜上皮は機械的刺激の強い食物通路に適合した重層扁平上皮である。多列線毛上皮は気道粘膜の典型で、食道には見られない。
ポイント
  • 食道は第6頸椎の高さで始まり、縦隔(後縦隔)を通過、全長約25cm、食道裂孔を貫き胃に達する。
  • 覚え方のコツ: 「食道は6から10へ(第6頸椎〜第10胸椎)」「上骨格筋・中混在・下平滑筋」でゾーン分けを記憶。
  • 関連知識: 食道の粘膜上皮は重層扁平上皮で、胃との境(Z-line)で単層円柱上皮に急変する。3つの生理的狭窄(①食道入口部、②気管分岐部、③食道裂孔)は異物停滞・癌発生の好発部位。
  • よくある間違い: 食道の起始を第3頸椎と混同する/食道下部を横紋筋と誤認する/食道を多列線毛上皮と勘違いする(気道と混同)。
  • 臨床応用: 食道癌は重層扁平上皮由来の扁平上皮癌が多く、3狭窄部に好発。下部では逆流性食道炎によるバレット食道(円柱上皮化生)から腺癌が生じる。
比較表
項目 食道
起始部 第6頸椎(輪状軟骨後方)
終始部 第11胸椎付近(胃の噴門)
全長 約25cm
走行 頸部→後縦隔→食道裂孔(第10胸椎)
粘膜上皮 重層扁平上皮
筋層 上1/3 横紋筋/中1/3 混在/下1/3 平滑筋
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題20|食道について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題20|食道について正しいのはどれか。
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