学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0554

理由で解く 解剖学

Q0554 神経系

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題22
問題
痛覚の伝導路に含まれるのはどれか。
選択肢
1 下 丘
2 胸髄核
3 後索核
4 脊髄後角
解答
正解4(脊髄後角)
解説
✗ 1. 誤り
下 丘
下丘は中脳背側の四丘体のうち下方2つで、聴覚の中継核として機能する。聴覚路(外側毛帯)は下丘→内側膝状体→聴放線→側頭葉一次聴覚野へ。痛覚伝導路ではないため、本問の答えではない。
✗ 2. 誤り
胸髄核
胸髄核(クラーク核、背側核)は胸髄~腰髄上部の後角基底部に位置する神経核で、筋紡錘・腱器からの深部情報を受けて後脊髄小脳路を起こす。無意識的深部感覚(小脳入力)の中継核であり痛覚伝導路には含まれないため、本問の答えではない。
✗ 3. 誤り
後索核
後索核(薄束核・楔状束核)は延髄にあり、脊髄後索を上行してきた深部感覚・識別性触覚の一次線維を受ける二次ニューロン核である。痛覚伝導路(側索を上行する外側脊髄視床路)とは別系統のため、本問の答えではない。
✓ 4. 正しい
脊髄後角
脊髄後角は後根から入る痛覚・温度覚の一次線維を受ける二次ニューロンの起始点で、痛覚伝導路における脊髄内の重要な中継点である。ここでシナプスを経た二次ニューロンの軸索は前交連で交叉して対側側索の外側脊髄視床路を上行し、脳幹を経て視床VPLへ達する。痛覚伝導路に含まれる部位として本問の答えとなる。ラミナI(限界帯)とラミナV(固有核)が痛覚の主要な中継層。
ポイント
  • 脊髄後角は痛覚伝導路(外側脊髄視床路)の二次ニューロン起始点。後索核は深部感覚、胸髄核は小脳入力、下丘は聴覚と系統が異なる。
  • 覚え方のコツ: 「後角=痛覚スタート」「後索核=深部感覚」「胸髄核(クラーク)=小脳行き」「下丘=聴覚」と部位と感覚を対応づける。
  • 関連知識: 後角のラミナI(限界帯)・II(膠様質)・V(固有核)が痛覚処理の中心。二次ニューロンの軸索は前交連で交叉して外側脊髄視床路となる。
  • よくある間違い: 後索核を痛覚中継核と誤認/胸髄核を痛覚路と思い込む/下丘を視覚路と混同(下丘は聴覚、上丘が視覚)。
  • 臨床応用: 脊髄後角には内因性オピオイドやGABA介在ニューロンによる痛覚ゲート制御機構があり、モルヒネはここで一次・二次ニューロン間の伝達を抑制して鎮痛効果を発揮する。
比較表
部位 感覚系統 伝導路
脊髄後角 温痛覚・触覚 外側脊髄視床路の起始
後索核 深部感覚 内側毛帯へ中継
胸髄核 無意識深部感覚 後脊髄小脳路の起始
下丘 聴覚 外側毛帯経由
上丘 視覚反射 視覚路(関連)
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題22|痛覚の伝導路に含まれるのはどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題22|痛覚の伝導路に含まれるのはどれか。
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