学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ F. 小腸 / Q0294

理由で解く 解剖学

Q0294 消化器系

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題20
問題
小腸について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 空腸は腸間膜をもつ。
2 粘膜に半月ヒダがある。
3 腸腺は繊毛の根元に開口する。
4 二層の筋層からなる。
解答
正解2(粘膜に半月ヒダがある。)
解説
✗ 1.
空腸は腸間膜をもつ。
✗ 正しい。 空腸・回腸はともに長い腸間膜によって後腹壁から吊り下げられ、腹腔内で自由に動く腹膜内器官である。腸間膜には上腸間膜動静脈・リンパ管・神経が走行し、栄養の吸収経路としても重要である。
✓ 2. 誤り
粘膜に半月ヒダがある。
小腸粘膜の特徴は輪状ヒダ(ケルクリング襞)であり、半月ヒダ(半月皺襞)ではない。半月ヒダは結腸に見られる構造で、結腸ヒモの収縮により腸壁がくびれて形成されるハウストラ(結腸膨起)の間に現れる。したがって「小腸に半月ヒダがある」は誤った記述であり、本問の正答(誤り選択)となる。
✗ 3.
腸腺は繊毛の根元に開口する。
✗ 正しい。 腸絨毛の間の粘膜固有層に腸腺(リーベルキューン腺)が管状にくぼみ、その開口部は絨毛の根元に位置する。これにより腸液を絨毛表面へ分泌し、粘膜を湿潤に保つとともに消化酵素を供給する。
✗ 4.
二層の筋層からなる。
✗ 正しい。 小腸を含む食道以下の消化管では、内側が輪走筋、外側が縦走筋の2層構造の平滑筋層が基本である。両層の協調した収縮により蠕動運動や分節運動が生じ、内容物を混和・輸送する。
ポイント
  • 小腸の粘膜ヒダは輪状ヒダ(ケルクリング襞)、結腸の粘膜ヒダは半月ヒダ。区別は頻出。
  • 覚え方のコツ: 「小腸=輪っか(輪状)、大腸=半月(ハウストラの間)」と形で対応づけて記憶する。
  • 関連知識: 小腸の吸収面積拡大は3段階:輪状ヒダ・腸絨毛・微絨毛。これで面積が約600倍に拡大する。筋層は内輪・外縦の2層、両層間にアウエルバッハ神経叢がある。
  • よくある間違い: 小腸と大腸のヒダ名称を混同する/腸腺(リーベルキューン腺)とブルンネル腺(十二指腸粘膜下組織)を混同する。
  • 臨床応用: 小腸絨毛の萎縮はセリアック病(グルテン不耐症)で生じ、吸収不良による下痢・体重減少を来す。回腸末端切除ではビタミンB12吸収障害と胆汁酸の再吸収低下が問題となる。
比較表
項目 小腸 結腸
粘膜ヒダ 輪状ヒダ(ケルクリング襞) 半月ヒダ
絨毛 あり(吸収面積拡大) なし
特徴的な構造 パイエル板(回腸)、腸絨毛 結腸ヒモ、ハウストラ、腹膜垂
主な機能 栄養吸収 水分吸収・糞便形成
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題20|小腸について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題20|小腸について誤っている記述はどれか。
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