学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ K. 腹膜 / Q0351

理由で解く 解剖学

Q0351 消化器系

出典:あマ指 第23回(2015) 問題24
問題
大網について正しいのはどれか。
選択肢
1 上腸間膜動脈が通る。
2 横行結腸に付着する。
3 後方に網嚢が広がる。
4 総胆管が通る。
解答
正解2(横行結腸に付着する。)
解説
✗ 1. 誤り
上腸間膜動脈が通る。
上腸間膜動脈は腹大動脈前面から出て「腸間膜(小腸間膜)」の中を通って小腸を養う動脈であり、大網の中を通るのは右胃大網動脈(胃十二指腸動脈の枝)と左胃大網動脈(脾動脈の枝)で、胃大彎に沿って吻合する。上腸間膜動脈ではない。
✓ 2. 正しい
横行結腸に付着する。
大網は胃の大彎から前方にエプロン状に垂れ下がり、小腸の前を覆ったあと上方へ折り返して横行結腸の上縁・腸間膜に付着する(4枚重ねの腹膜構造)。大彎から出て横行結腸へ連絡するため、発生学的には胃間膜(背側胃間膜)の延長である。腹腔内で自由に移動できる性質から「腹腔の警察官」と呼ばれ、炎症巣を包み込んで感染の局所化に寄与する。
✗ 3. 誤り
後方に網嚢が広がる。
網嚢(小網嚢・オメンタル嚢)は胃の「後方」にある腹膜で囲まれた閉鎖空間で、大網の後方ではなく、小網(肝と胃の間)・胃の後壁・膵前面・脾前縁に囲まれる。網嚢はウィンスロー孔(網嚢孔)を介してのみ大腹腔と連絡する。
✗ 4. 誤り
総胆管が通る。
総胆管は肝十二指腸間膜(小網の右端にあたる遊離縁)を通り、固有肝動脈・門脈とともに「ポータルトライアド」を形成する。大網ではなく小網の内部を走る。
ポイント
  • 大網は胃大彎から前方に垂れ下がり、横行結腸に付着してエプロン状に小腸前面を覆う4重腹膜構造。
  • 覚え方のコツ: 「大網の住人は胃大網動脈、小網の住人は肝・胃動脈と総胆管」と、位置関係で動脈・胆管を区別する。
  • 関連知識: 網嚢は胃の後方の閉鎖空間で、膵癌や胃後壁穿孔の病変が網嚢に限局すると身体診察上気づきにくい。
  • よくある間違い: 大網に総胆管や上腸間膜動脈が通ると誤る。大網を走るのは左右の胃大網動静脈のみ。
  • 臨床応用: 大網は炎症巣(虫垂炎など)を包み込んで限局化する「腹腔の警察官」として働き、大網メランコリック(大網腫脹・大網壊死)は急性腹症の鑑別となる。
比較表
腹膜構造 連絡部位 主な含有構造
大網 胃大彎→横行結腸 左右胃大網動静脈、リンパ節、脂肪
小網 肝~胃小彎・十二指腸 左右胃動脈、肝十二指腸間膜:総胆管・門脈・固有肝動脈
網嚢 胃の後方(ウィンスロー孔で大腹腔と連絡) 胃後壁・膵前面・脾前縁に接する閉鎖腔
腸間膜 後腹壁~小腸 上腸間膜動静脈、空・回腸動脈
解説画像
あマ指 第23回(2015) 問題24|大網について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第23回(2015) 問題24|大網について正しいのはどれか。
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