学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ H. 肝臓 / Q0339

理由で解く 解剖学

Q0339 消化器系

出典:鍼灸 第27回(2019) 問題23
問題
肝臓について正しいのはどれか。
選択肢
1 実質はグリソン鞘により肝小葉に分けられる。
2 肝鎌状間膜は方形葉と尾状葉の間にある。
3 右葉よりも左葉の方が大きい。
4 肝静脈は肝門を通る。
解答
正解1(実質はグリソン鞘により肝小葉に分けられる。)
解説
✓ 1. 正しい
実質はグリソン鞘により肝小葉に分けられる。
肝実質はグリソン鞘という疎性結合組織により直径約1mmの六角形の肝小葉に分けられる。グリソン鞘内には小葉間動脈・小葉間静脈・小葉間胆管の3つが走り「肝3つ組(Portal triad)」を形成する。肝小葉は機能と構造の最小単位で、中心静脈を中心に放射状に肝細胞索が配列し、類洞(洞様毛細血管)を介して血液が周辺から中央へ流れる。胆汁は中央の肝細胞から毛細胆管→小葉間胆管へと逆方向に流れる。
✗ 2. 誤り
肝鎌状間膜は方形葉と尾状葉の間にある。
肝鎌状間膜は方形葉と尾状葉の間ではなく、肝の前上面を縦走して右葉と左葉を分ける間膜である。方形葉と尾状葉は肝下面H字状溝で前後に位置する小葉で、両者の間は肝門(横溝)によって隔てられる。
✗ 3. 誤り
右葉よりも左葉の方が大きい。
大小関係が逆。肝臓は鎌状間膜を境に厚くて大きい右葉と薄くて小さい左葉に分けられ、右葉が肝全体の約2/3を占めて最大である。
✗ 4. 誤り
肝静脈は肝門を通る。
肝静脈は肝門を通らない。肝後面の下大静脈溝から直接下大静脈に注ぐ流出路である。肝門を通るのは固有肝動脈・門脈・肝管の3要素で、肝静脈はこれに含まれない。
ポイント
  • グリソン鞘=小葉間動脈+小葉間静脈+小葉間胆管の3つ組を包む結合組織。肝小葉の角に位置し、肝実質を六角柱状に区画する。
  • 覚え方のコツ: 「グリソン鞘=動・静・胆の3つ組」。小葉間の角に集まる「動脈・静脈・胆管」のセットをイメージで結び付ける。血は中央(中心静脈)へ、胆汁は外側へと方向は逆。
  • 関連知識: 類洞内にはクッパー細胞(大食細胞)が存在し、古い赤血球・細菌などを貪食する。ディッセ腔には星細胞(ビタミンA貯蔵細胞)が存在する。
  • よくある間違い: 「小葉間動脈・静脈・胆管」と「中心静脈」を混同しない。前者はグリソン鞘(小葉の外縁)、後者は小葉中央に位置し異なる構造。
  • 臨床応用: 肝硬変では肝小葉構造が破壊されて再生結節と線維化(偽小葉形成)を生じる。グリソン鞘〜中心静脈間の血流が乱れ門脈圧亢進症へと進展する。
比較表
位置 構造 主な働き
肝小葉の角(グリソン鞘) 小葉間動脈 動脈血(酸素)供給
肝小葉の角(グリソン鞘) 小葉間静脈 門脈血(栄養)供給
肝小葉の角(グリソン鞘) 小葉間胆管 胆汁を集める
肝小葉の内部 類洞(洞様毛細血管) 血液混合・肝細胞との物質交換
肝小葉の内部 クッパー細胞 異物の貪食
肝小葉の中央 中心静脈 類洞血を集め肝静脈へ
解説画像
鍼灸 第27回(2019) 問題23|肝臓について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第27回(2019) 問題23|肝臓について正しいのはどれか。
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