学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ H. 肝臓 / Q0340

理由で解く 解剖学

Q0340 消化器系

出典:あマ指 第32回(2024) 問題21
問題
肝臓について正しいのはどれか。
選択肢
1 肝冠状間膜により右葉と左葉に分かれる。
2 肝鎌状間膜は肝円索を包む。
3 肝静脈は小網内を通る。
4 下面に無漿膜野がある。
解答
正解2(肝鎌状間膜は肝円索を包む。)
解説
✗ 1. 誤り
肝冠状間膜により右葉と左葉に分かれる。
右葉と左葉に分けるのは肝冠状間膜ではなく「肝鎌状間膜」である。肝冠状間膜は肝上面から横隔膜に続く前後2葉の間膜で、その間に無漿膜野を挟む構造をもつが、左右区分の役割は担わない。
✓ 2. 正しい
肝鎌状間膜は肝円索を包む。
肝鎌状間膜は肝前上面から前腹壁・横隔膜に張る縦走する腹膜ヒダで、下縁の自由縁には胎生期の臍静脈が閉鎖してできた肝円索が含まれる(=肝円索を包む)。この間膜は肝を前腹壁・横隔膜に固定するとともに、右葉と左葉を区分する境界として機能する。下縁の自由縁は肝下面に至り肝円索裂から肝内に入り、門脈左枝に合流する。
✗ 3. 誤り
肝静脈は小網内を通る。
肝静脈は小網ではなく、肝後面から直接下大静脈に注ぐ。小網内(肝十二指腸間膜)を通るのは肝門3要素(固有肝動脈・門脈・肝管)であって肝静脈は含まれない。
✗ 4. 誤り
下面に無漿膜野がある。
位置が逆。無漿膜野は肝後上面にあり、冠状間膜2葉の間で横隔膜と結合組織で直接接着する領域。肝下面は胆嚢窩・肝門・下大静脈溝を含み、腹膜に覆われる。
ポイント
  • 肝鎌状間膜は肝を右葉・左葉に区分し、自由縁に肝円索(臍静脈の遺残)を含む。冠状間膜は上面の間膜で、間に無漿膜野を挟む。
  • 覚え方のコツ: 「鎌(かま)=縦、冠(かんむり)=横」。鎌状間膜は鎌のように縦に張り右葉・左葉を分け、冠状間膜は冠(かんむり)のように肝上面を横に巻く。
  • 関連知識: 肝鎌状間膜の自由縁(肝円索)は肝下面の肝円索裂に入り、門脈左枝に連続する。新生児では臍静脈カテーテル挿入の経路として利用される。
  • よくある間違い: 「冠状間膜で右葉と左葉に分かれる」という誤答が多い。左右区分は鎌状間膜、肝と横隔膜の固定は冠状間膜・三角間膜と役割を区別する。
  • 臨床応用: 門脈圧亢進症では肝円索内の閉鎖した臍静脈が再開通し、腹壁皮静脈と側副路を形成して臍周囲にメデューサの頭(caput medusae)と呼ばれる特徴的な静脈怒張を呈する。
比較表
間膜 位置 役割・含有物
肝鎌状間膜 肝前上面〜前腹壁・横隔膜 右葉・左葉を区分/自由縁に肝円索
冠状間膜 肝上面〜横隔膜 前葉・後葉の間に無漿膜野
左右三角間膜 肝の左右端〜横隔膜 肝の横方向固定
肝十二指腸間膜 肝門〜十二指腸 小網自由縁、肝門3要素を包む
小網 肝下面〜胃小弯・十二指腸 胃左動脈・右動脈などが走る
解説画像
あマ指 第32回(2024) 問題21|肝臓について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第32回(2024) 問題21|肝臓について正しいのはどれか。
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