学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0614

理由で解く 解剖学

Q0614 神経系

出典:あマ指 第32回(2024) 問題22
問題
脳神経で副交感性の神経線維を含むのはどれか。
選択肢
1 滑車神経
2 顔面神経
3 内耳神経
4 舌下神経
解答
正解2(顔面神経)
解説
✗ 1. 誤り
滑車神経
滑車神経(IV)は上斜筋のみを支配する純粋運動神経で、副交感線維を含まない。III・IV・VI の眼球運動3神経のうち副交感を持つのは動眼神経(III)だけである。
✓ 2. 正しい
顔面神経
顔面神経(VII)は運動性(表情筋)・感覚性(舌前2/3味覚)・副交感性(涙腺・鼻粘膜腺・顎下腺・舌下腺)の3系統を持つ混合神経である。副交感節前線維は橋下部の上唾液核を起始核とし、2つのルートに分かれる。①大錐体神経→翼突管神経→翼口蓋神経節→節後線維が涙腺・鼻腺・口蓋腺に分布する。②鼓索神経→舌神経と合流→顎下神経節→節後線維が顎下腺と舌下腺に分布する。つまり VII は頭頸部に「2対の副交感神経節(翼口蓋+顎下)」を持つ特殊な脳神経で、4対の副交感系脳神経(III・VII・IX・X)の中で最も多数の腺支配を担う。
✗ 3. 誤り
内耳神経
内耳神経(VIII)は蝸牛神経(聴覚)と前庭神経(平衡覚)からなる純粋感覚神経で、副交感線維は含まない。純粋感覚神経グループ(I・II・VIII)の一員である。
✗ 4. 誤り
舌下神経
舌下神経(XII)は舌筋(内舌筋・外舌筋)を支配する純粋運動神経で、副交感線維を含まない。XII 麻痺では舌が患側に偏位するが自律神経症状は生じない。
ポイント
  • 顔面神経(VII)は副交感を持ち、翼口蓋神経節(涙・鼻)と顎下神経節(顎下・舌下腺)の2節を経由する。
  • 覚え方のコツ: VII の副交感は「涙・鼻水・唾液(顎下・舌下)」の4腺担当。鼓索神経が顎下系、大錐体神経が涙・鼻系と分けて整理する。
  • 関連知識: VII の起始核は運動性=顔面神経核(橋)、味覚性=孤束核(延髄・膝神経節経由)、副交感性=上唾液核(橋)と、機能ごとに核が分かれる。
  • よくある間違い: 副神経(XI)や舌下神経(XII)を「副」の語感から副交感と誤認するミス。どちらも純運動神経で副交感は含まない。
  • 臨床応用: ベル麻痺が顔面神経管内の鼓索神経分岐前で起これば「表情筋麻痺+味覚障害+唾液分泌低下」、大錐体神経分岐前ならさらに「流涙低下」が加わり、病変部位の高さが推定できる。
比較表
脳神経 副交感節前核 副交感神経節
III 動眼 動眼神経副核(中脳) 毛様体
VII 顔面 上唾液核(橋) 翼口蓋・顎下
IX 舌咽 下唾液核(延髄)
X 迷走 迷走神経背側核(延髄) 壁内
解説画像
あマ指 第32回(2024) 問題22|脳神経で副交感性の神経線維を含むのはどれか。 解説図
あマ指 第32回(2024) 問題22|脳神経で副交感性の神経線維を含むのはどれか。
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