学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0613

理由で解く 解剖学

Q0613 神経系

出典:あマ指 第32回(2024) 問題18
問題
頭頸部の筋と支配神経の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 咬筋-舌下神経
2 広頸筋-顔面神経
3 胸鎖乳突筋-迷走神経
4 肩甲舌骨筋-下顎神経
解答
正解2(広頸筋-顔面神経)
解説
✗ 1. 誤り
咬筋-舌下神経
咬筋は咀嚼筋の代表で、三叉神経の下顎神経(V3)から分岐する咬筋神経が支配する。舌下神経(XII)は舌筋(内舌筋・外舌筋)を支配する運動神経で、咀嚼筋には関与しない。
✓ 2. 正しい
広頸筋-顔面神経
広頸筋は下顎下縁から鎖骨付近まで頸部前外側の皮下に広がる薄い筋で、発生学的に顔面の表情筋と同じ第2鰓弓由来のため「顔面神経(VII)の頸枝」が支配する。顔面神経は耳下腺を貫く際に5枝(側頭枝・頬骨枝・頬筋枝・下顎縁枝・頸枝)に分かれ、最下枝の頸枝が広頸筋に分布する。役割は皮膚を引き下げて表情を作ることであり、驚いた表情や苦痛時に自動的に収縮して頸部の皮膚を波状に持ち上げる。頸部の筋だが「表情筋の仲間」という特殊なポジションにある点が試験頻出ポイント。
✗ 3. 誤り
胸鎖乳突筋-迷走神経
胸鎖乳突筋は副神経(XI)支配で、頸神経叢(C2・C3)からの感覚枝も受ける。迷走神経(X)は喉頭筋(反回神経経由)や咽頭筋・内臓を支配するが、胸鎖乳突筋には関与しない。副神経麻痺では胸鎖乳突筋と僧帽筋が同時に脱力する。
✗ 4. 誤り
肩甲舌骨筋-下顎神経
肩甲舌骨筋は舌骨下筋群に属し、頸神経叢から出る「頸神経ワナ(頸神経ループ、C1〜C3)」が支配する。下顎神経(V3)は咀嚼筋と下顎の感覚を担う三叉神経枝で、舌骨下筋群とは無関係である。
ポイント
  • 広頸筋は発生学的に表情筋と同じ第2鰓弓由来で、顔面神経(VII)の頸枝が支配する。
  • 覚え方のコツ: 「頭頸部の筋と神経」は「咀嚼筋=V3、表情筋+広頸筋=VII、舌筋=XII、咽頭・喉頭筋=IX・X、胸鎖乳突+僧帽=XI」の6ブロックで整理。
  • 関連知識: 咽頭筋のうち茎突咽頭筋は IX、他は X。喉頭筋は X の反回神経(輪状甲状筋は上喉頭神経外枝)が支配する、と二段階で覚える。
  • よくある間違い: 広頸筋を「頸部の筋だから頸神経」と誤答するミス。名前と位置に惑わされず、発生学的由来(鰓弓)から神経を推定する視点が重要。
  • 臨床応用: 顔面神経麻痺では広頸筋の動きも低下する。口を引き下げる動作で広頸筋の収縮が消失することから末梢性 VII 麻痺の徴候を補助診断できる。
比較表
筋群 支配神経 由来(鰓弓)
咀嚼筋(咬筋・側頭筋) V3 下顎神経 第1鰓弓
表情筋・広頸筋 VII 顔面神経 第2鰓弓
茎突咽頭筋 IX 舌咽神経 第3鰓弓
咽頭筋(大部分)・喉頭筋 X 迷走神経 第4・6鰓弓
胸鎖乳突筋・僧帽筋 XI 副神経 体節由来+鰓弓
舌筋 XII 舌下神経 後頭筋節
舌骨下筋群 頸神経ワナ(C1〜C3) 頸体節
解説画像
あマ指 第32回(2024) 問題18|頭頸部の筋と支配神経の組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第32回(2024) 問題18|頭頸部の筋と支配神経の組合せで正しいのはどれか。
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