学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0612

理由で解く 解剖学

Q0612 神経系

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題22
問題
脳神経と神経節の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 眼神経 ――― 毛様体神経節
2 下顎神経 ――― 翼口蓋神経節
3 舌咽神経 ――― 耳神経節
4 迷走神経 ――― らせん神経節
解答
正解3(舌咽神経 ――― 耳神経節)
解説
✗ 1. 誤り
眼神経 ――― 毛様体神経節
眼神経(V1)は三叉神経第1枝の感覚神経であり、副交感の中継神経節を持たない。毛様体神経節は動眼神経(III)副交感の中継点。ただし眼神経の枝である鼻毛様体神経が毛様体神経節を「通過」するため位置関係が紛らわしい点に注意。
✗ 2. 誤り
下顎神経 ――― 翼口蓋神経節
下顎神経(V3)は三叉神経の感覚+運動枝で副交感の中継節を持たない。翼口蓋神経節は顔面神経(VII)の大錐体神経が中継する副交感神経節である。下顎神経の枝(舌神経)を鼓索神経が随伴するが、鼓索神経が向かう中継節は翼口蓋ではなく顎下神経節である。
✓ 3. 正しい
舌咽神経 ――― 耳神経節
舌咽神経(IX)の副交感節前線維は延髄の下唾液核から出て、頸静脈孔を出た直後の下神経節から鼓室神経として分岐し、鼓室内で鼓室神経叢を形成したのち小錐体神経として「耳神経節」に到達する。耳神経節は卵円孔直下にあり、ここで節後線維にシナプス交代したのち下顎神経(V3)の枝である耳介側頭神経に合流して耳下腺の漿液性唾液分泌を支配する。副交感系の「3(動眼)-毛様体/7(顔面)-翼口蓋・顎下/9(舌咽)-耳/10(迷走)-壁内」の対応原則そのものの典型例となる組合せ。
✗ 4. 誤り
迷走神経 ――― らせん神経節
らせん神経節は内耳蝸牛内にある聴覚一次求心ニューロンの「感覚神経節」で、内耳神経(VIII)の蝸牛神経分が起源とする。迷走神経(X)には関係せず、X の副交感は標的臓器の壁内神経節で節後線維に交代するため頭頸部に独自の神経節は持たない(頸静脈孔部の上・下神経節は感覚性)。
ポイント
  • 舌咽神経(IX)の副交感中継は耳神経節。節後線維は耳介側頭神経と合流して耳下腺へ向かう。
  • 覚え方のコツ: 副交感節と脳神経の対応は「3-毛様/7-翼口蓋・顎下/9-耳/10-壁内」の4対セットで丸暗記。
  • 関連知識: 脳神経の「感覚神経節」は別系統。V=三叉神経節(半月)、VII=膝神経節、VIII=らせん神経節+前庭神経節、IX/X=上・下神経節、I=嗅球ニューロン自体、II=網膜神経節細胞。副交感節とは区別する。
  • よくある間違い: 感覚神経節と副交感神経節を混同するミス。らせん神経節(感覚)と迷走神経(副交感)など系統を必ず区別する。
  • 臨床応用: 耳下腺腫瘍手術で耳介側頭神経が切断されると、味覚性発汗(フライ症候群)が後日発現することがある。解剖知識が予測可能性を高める。
比較表
脳神経 感覚神経節 副交感神経節
V 三叉神経節(半月) (なし)
VII 膝神経節 翼口蓋・顎下
VIII らせん・前庭 (なし)
IX 上・下神経節
X 上・下神経節 壁内
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題22|脳神経と神経節の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題22|脳神経と神経節の組合せで正しいのはどれか。
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