学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ D. 食道 / Q0281

理由で解く 解剖学

Q0281 消化器系

出典:鍼灸 第27回(2019) 問題22
問題
食道について正しいのはどれか。
選択肢
1 第3 頸椎の高さで始まる。
2 気管分岐部の高さで狭窄している。
3 気管の前を通る。
4 成人では長さ約15 cm である。
解答
正解2(気管分岐部の高さで狭窄している。)
解説
✗ 1. 誤り
第3 頸椎の高さで始まる。
食道は咽頭下端(輪状軟骨後面、第6頸椎の高さ)から始まる。第3頸椎は舌骨付近であり、喉頭より上方の高さに相当するため食道の起始点としては不適。食道の起始点は気管の起始点と同じ高さ(C6)である点を意識すると整理しやすい。
✓ 2. 正しい
気管分岐部の高さで狭窄している。
食道には生理的に3か所の狭窄部があり、上から順に(1)起始部=輪状軟骨部(C6)、(2)気管分岐部(大動脈弓・左主気管支が交叉する高さ、Th4-5)、(3)横隔膜食道裂孔(Th10)である。気管分岐部では食道の前方を左主気管支が横切り、さらに大動脈弓も接近するため食道が圧迫され狭くなる。これらの生理的狭窄部は異物停滞・誤嚥性食道損傷・食道癌の好発部位として臨床的に重要である。
✗ 3. 誤り
気管の前を通る。
食道は気管の後方を通る。頸部から上縦隔にかけて食道は気管の直後に位置し、気管後壁(膜性壁)と食道前壁が密接している。本肢は前後関係を逆にしており誤り。
✗ 4. 誤り
成人では長さ約15 cm である。
成人の食道の長さは約25cm(部位別には頸部5cm・胸部17cm・腹部3cmが目安)であり、約15cmという値は過小である。口腔から食道下端までの距離は約40cmとされ、内視鏡検査では門歯を基準に食道の3か所の狭窄部位までの距離を記憶することが多い。
ポイント
  • 食道はC6(起始)〜Th10(横隔膜)の約25cmで、3か所の生理的狭窄部(輪状軟骨部・気管分岐部・横隔膜部)を持つ。
  • 覚え方のコツ: 「3つの狭窄は入口・真ん中・出口(起始・気管分岐部・横隔膜裂孔)」と位置で暗記する。
  • 関連知識: 気管分岐部の高さで食道の前方を左主気管支と大動脈弓が横切り、外部から圧迫されて狭くなる。
  • よくある間違い: 食道を気管の前と誤解/長さを15cmと過小に記憶/狭窄部を見落とす。
  • 臨床応用: 食道狭窄部は異物停滞・腐食性食道炎・食道癌の好発部位。内視鏡では門歯から15cm・25cm・40cmが目安。
比較表
狭窄部 高さ 原因
第1狭窄(食道入口部) C6 輪状咽頭筋
第2狭窄(気管分岐部) Th4-5 左主気管支・大動脈弓の圧迫
第3狭窄(横隔膜食道裂孔) Th10 横隔膜の締めつけ
解説画像
鍼灸 第27回(2019) 問題22|食道について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第27回(2019) 問題22|食道について正しいのはどれか。
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