
この図の解説
この図は鼻腔を正中で切り、外側壁を内側から見た矢状断面である。まず外側壁から三段のひさしのように垂れ下がる上・中・下鼻甲介に注目したい。それぞれの甲介の「陰」、つまり下方にできる通路が上・中・下鼻道で、甲介と鼻道が上から順に対応している。図の後上方には蝶篩陥凹があり、その奥に蝶形骨洞が開く。上方の篩骨篩板・鶏冠は嗅神経の通り道で、この後上部が嗅粘膜の領域にあたる。前方で鼻毛の生える皮膚におおわれた部分が鼻前庭、その先端が鼻尖である。副鼻腔では前頭洞が上方に、上顎洞が下鼻甲介の外側(硬口蓋の上)に位置し、中鼻道へと通じる。甲介・鼻道・洞の開口位置を立体的に結びつけて読むことが要点である。
学習の要点
- 鼻腔の外側壁には上・中・下の3対の鼻甲介があり、その下の陰にそれぞれ上・中・下鼻道ができる。
- 覚え方のコツ: 甲介と鼻道は「上は上、中は中、下は下」で番号が一致。副鼻腔の開口は「前・上・篩(前)は中鼻道/篩(後)は上鼻道/蝶は最後上(蝶篩陥凹)」。
- 関連知識: 鼻甲介の粘膜は多列線毛上皮で血管に富み、吸気の加温・加湿・除塵を担う。嗅覚を受け持つ嗅粘膜は鼻腔後上部にあり、嗅神経系とつながる。
- よくある間違い: 鼻甲介と鼻中隔の間の通路である「総鼻道」を、甲介どうしの間と取り違える。蝶形骨洞を中鼻道開口と誤る。
- 臨床応用: 鼻中隔前端のキーゼルバッハ部位は毛細血管が集まり鼻出血の好発部位。副鼻腔は出口が狭く膿がたまりやすく蓄膿症の原因となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
鼻腔の後上部には、嗅覚を受け持つ( )がある。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 嗅粘膜(嗅上皮)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。