学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ D. 肺・胸膜・縦隔 / Q0254

理由で解く 解剖学

Q0254 呼吸器系

出典:鍼灸 第27回(2019) 問題20
問題
肺静脈について正しいのはどれか。
選択肢
1 弁がある。
2 右肺門では2 本みられる。
3 組織学的には弾性血管に分類される。
4 左心房に流入する前にすべてが合流する。
解答
正解2(右肺門では2 本みられる。)
解説
✗ 1. 誤り
弁がある。
肺静脈には弁がない。静脈弁が発達するのは四肢など重力に抗して血液を戻す中型静脈で、肺静脈は短く走行して左心房に直接注ぐため弁構造を持たない。上大静脈・下大静脈・門脈・脳静脈なども弁を欠く代表例で、弁がない=誤り、が正しい判断となる。
✓ 2. 正しい
右肺門では2 本みられる。
肺静脈は左右の肺門からそれぞれ2本ずつ(計4本)出て左心房の後壁に注ぐ。右肺門からは右上肺静脈(上葉+中葉からの還流)と右下肺静脈(下葉からの還流)の2本が、左肺門からは左上肺静脈(上葉からの還流)と左下肺静脈(下葉からの還流)の2本が出る。右肺は3葉だが、中葉は上肺静脈に合流するため肺静脈としては2本である。したがって右肺門で肺静脈は2本という記述は正しい。計4本が独立して左心房に流入するのが正常解剖であり、合流して1本や3本となるのは異常である。
✗ 3. 誤り
組織学的には弾性血管に分類される。
弾性血管に分類されるのは大動脈や肺動脈幹など、心臓拍出の直後で高い拍動圧を受ける大型動脈である。肺静脈は組織学的には中膜に平滑筋主体で弾性線維は乏しく、静脈型に分類される。弾性血管への分類は誤りである。
✗ 4. 誤り
左心房に流入する前にすべてが合流する。
肺静脈は左心房に流入する前に合流せず、左右2本ずつ計4本がそれぞれ独立して左心房後壁に開口する。4本の開口部は心房細動の異所性興奮起源として臨床的にも重要で、これを標的にしたカテーテルアブレーション(肺静脈隔離術)が行われる。「すべて合流する」のは誤りである。
ポイント
  • 肺静脈は左右の肺門から各2本(上肺静脈・下肺静脈)、計4本が合流せずに左心房後壁へ開口する。中葉(右)からの還流は右上肺静脈に合流するため、葉数と静脈本数は一致しない。
  • 覚え方のコツ: 「肺静脈は4本・左心房・弁なし」の3点セットで暗記。左右各2本=「上・下」。肺動脈は2本(左右)、肺静脈は4本(左右各2本)と本数の違いを対比。
  • 関連知識: 弁を欠く代表的血管:上下大静脈・門脈・腎静脈・副腎静脈・肺静脈・脳静脈(硬膜静脈洞)。弾性血管は大動脈・肺動脈幹・総頸動脈近位など、筋性血管は中小動脈。肺静脈は組織学的には筋性小型静脈に近い。
  • よくある間違い: 肺静脈を右肺3葉に合わせて3本と誤答する/肺静脈に弁があると思い込む/弾性血管に分類すると誤答する/左心房入口前に合流すると決めつける。
  • 臨床応用: 発作性心房細動では肺静脈左心房開口部から異所性興奮が発生し、肺静脈隔離術(PVI)が根治治療の第一選択となる。総肺静脈還流異常症(TAPVR)では肺静脈が左心房に正しく還流せず右心房系に注ぐ先天性心疾患で、新生児期に対症療法と外科手術が必要となる。
解説画像
鍼灸 第27回(2019) 問題20|肺静脈について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第27回(2019) 問題20|肺静脈について正しいのはどれか。
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