
この図の解説
この図は、心臓・肺・肝臓という3つの臓器について「機能血管」と「栄養血管」を対比した一覧表である。まず色分けに注目したい。赤字で示された血管が着眼点で、肺の「肺動脈・肺静脈(機能血管)」と「気管支動脈(栄養血管)」、肝臓の「門脈(機能血管)」と「固有肝動脈(栄養血管)」が対をなす。下段の吹き出しが定義を与える。栄養血管とは、その臓器の組織そのものに酸素と栄養素を送り届ける血管で、体循環系の動脈がこれにあたる。一方の機能血管とは、臓器が担う仕事(肺のガス交換、肝臓の代謝など)そのものに関わる血管である。表の心臓の行では、各心腔に出入りする上・下大静脈、肺動脈、肺静脈、大動脈がまとめて機能血管に分類され、心筋自体を養う冠状動脈だけが栄養血管である点を読み取る。肺動脈には静脈血が流れるのに機能血管であるという、名前と血液の色が一致しない例を図で押さえておきたい。
学習の要点
- 栄養血管=臓器組織を養う血管(=体循環系の動脈)、機能血管=臓器の仕事に関わる血管。この二分法が図全体の骨格である。
- 覚え方のコツ:「肺は空気を扱う工場、その工場自体の食事係が気管支動脈(栄養)、製品づくり=ガス交換の係が肺動脈(機能)」とイメージする。
- 関連知識:肺では肺動脈・肺静脈が機能血管、肝臓では門脈が機能血管で固有肝動脈が栄養血管。どちらも「動脈=栄養」と単純化できない代表例。
- よくある間違い:肺動脈を「肺を養う血管」と思い込むこと。肺動脈は肺胞でのガス交換のための機能血管で、肺組織を養うのは気管支動脈である。
- 臨床応用:冠状動脈は心臓唯一の栄養血管であり、狭窄・閉塞で心筋が酸素不足に陥ると狭心症・心筋梗塞となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
体循環系の動脈のように、臓器の組織そのものに酸素と栄養素を送り届ける血管を( )という。
答えを見る
答え: 栄養血管
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。