学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ G. 大腸 / Q0316

理由で解く 解剖学

Q0316 消化器系

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題22
問題
正しい記述はどれか。
選択肢
1 大腸には内腔に輪状ヒダがある。
2 腹膜垂は小腸にみられる。
3 門脈は肝門に入る。
4 胃の角切痕は大弯にある。
解答
正解3(門脈は肝門に入る。)
解説
✗ 1. 誤り
大腸には内腔に輪状ヒダがある。
輪状ヒダは小腸(十二指腸・空腸・回腸)の粘膜にみられる横走ヒダであり、大腸にはない。大腸の内腔には結腸膨起に対応する半月ヒダがみられるのみである。したがって大腸に輪状ヒダがあるという記述は誤り。
✗ 2. 誤り
腹膜垂は小腸にみられる。
腹膜垂は結腸ヒモに沿って腹膜に包まれた脂肪の袋がぶら下がる大腸(結腸)特有の構造で、小腸にはみられない。結腸ヒモ・結腸膨起とともに大腸を小腸から区別する3大目印の一つである。
✓ 3. 正しい
門脈は肝門に入る。
門脈は胃・腸・膵臓・脾臓など腹部消化器の静脈血を集めて肝臓へ運ぶ血管で、固有肝動脈・肝管とともに肝門から肝臓に入る。肝門では門脈・固有肝動脈が入り、左右の肝管と肝内胆管から続く胆汁排出路が出る。門脈血は肝小葉内で小葉間静脈から洞様毛細血管を経て中心静脈に注ぎ、最終的に肝静脈となって下大静脈へ流入する。この構造によって腸管で吸収された栄養素が肝臓で代謝・解毒される。よって「門脈は肝門に入る」という記述は正しい。
✗ 4. 誤り
胃の角切痕は大弯にある。
角切痕(胃角)は胃の小弯の屈曲部にあり、胃体部と幽門部の境界の目印となる。大弯は胃の左外側の大きな彎曲で、角切痕は存在しない。したがって「角切痕は大弯にある」という記述は誤り。
ポイント
  • 門脈は腹部消化器の静脈血を集めて肝門から肝臓に入り、洞様毛細血管を経て中心静脈→肝静脈→下大静脈へ流入する。
  • 覚え方のコツ: 「肝門に入るのは2本(門脈・固有肝動脈)、出るのは胆管」で入出をセット暗記。角切痕は胃小弯、結腸ヒモ・腹膜垂は大腸のみと対比。
  • 関連知識: 門脈は上腸間膜静脈と脾静脈の合流で形成され下腸間膜静脈も合流。洞様毛細血管では門脈血と肝動脈血が混合する。
  • よくある間違い: 肝門と肝静脈口を混同する/腹膜垂を小腸にもあるとする/角切痕を胃大弯側にあるとする。
  • 臨床応用: 肝硬変で門脈圧が上昇すると食道静脈瘤・メデューサの頭(臍周囲静脈怒張)・痔核など門脈大循環吻合部に側副血行路が発達する。
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題22|正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題22|正しい記述はどれか。
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