学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ D. 食道 / Q0279

理由で解く 解剖学

Q0279 消化器系

出典:あマ指 第13回(2005) 問題16
問題
食道について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 粘膜上皮は重層扁平上皮である。
2 筋層に横紋筋線維が多い。
3 上部は気管の後方に位置する。
4 横隔膜の腱中心を貫く。
解答
正解4(横隔膜の腱中心を貫く。)
解説
✗ 1.
粘膜上皮は重層扁平上皮である。
✗ 正しい。 この記述は解剖学的に正しい。食道は食塊通過時の機械的摩擦に耐えるため、粘膜上皮は重層扁平上皮で構成される。胃噴門部で重層扁平上皮から単層円柱上皮に移行する境界(Z線)は、逆流性食道炎や食道腺癌の好発部位として重要である。
✗ 2.
筋層に横紋筋線維が多い。
✗ 正しい。 この記述は解剖学的に正しい。食道筋層は上部1/3が横紋筋、下部1/3が平滑筋、中部1/3は両者の混合である。口に近い部分が随意の横紋筋で嚥下の初期段階を担い、下部は不随意の平滑筋で自動的な蠕動を行う。
✗ 3.
上部は気管の後方に位置する。
✗ 正しい。 この記述は解剖学的に正しい。頸部食道は気管の後方を走り、胸部では左主気管支の後方を通る。前方は気管・気管分岐部・左心房、後方は脊柱と隣接する。気管と食道の位置関係は喉頭外科や挿管操作で重要である。
✓ 4. 誤り
横隔膜の腱中心を貫く。
これが誤っている記述である。食道は横隔膜の腱中心ではなく、筋性部にある「食道裂孔(第10胸椎の高さ)」を貫く。腱中心を貫くのは下大静脈(大静脈孔、第8胸椎の高さ)であり、食道と混同しやすい。もう1つの大動脈裂孔(第12胸椎、左右脚の間)も合わせて「IVC 8、食道 10、大動脈 12」と高さで整理して覚える。
ポイント
  • 食道は横隔膜の食道裂孔(第10胸椎、筋性部)を貫き、腱中心を貫くのは下大静脈である。
  • 覚え方のコツ: 「IVC 8・食道 10・大動脈 12」と偶数で高さを覚え、腱中心はIVCのみと押さえる。
  • 関連知識: 食道上皮は重層扁平上皮、筋層は上部横紋筋+下部平滑筋の混合構造。気管の後方を走る。
  • よくある間違い: 食道裂孔と大静脈孔を取り違える。腱中心(中央部の腱膜)を貫くのは血管であり、消化管ではない。
  • 臨床応用: 食道裂孔ヘルニアでは胃噴門部が裂孔を通って胸腔側に逸脱し、逆流性食道炎の原因となる。
比較表
横隔膜の開口部 貫通する構造 位置 高さ
大静脈孔 下大静脈・右横隔神経枝 腱中心 第8胸椎
食道裂孔 食道・迷走神経 筋性部 第10胸椎
大動脈裂孔 下行大動脈・胸管・奇静脈 左右脚の間 第12胸椎
解説画像
あマ指 第13回(2005) 問題16|食道について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第13回(2005) 問題16|食道について誤っている記述はどれか。
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