学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ C. 咽頭 / Q0278

理由で解く 解剖学

Q0278 消化器系

出典:あマ指 第33回(2025) 問題18
問題
咽頭について正しいのはどれか。
選択肢
1 耳管が開口する。
2 咀嚼に関与する。
3 第4頸椎の高さで食道に移行する。
4 咽頭筋群は舌下神経に支配される。
解答
正解1(耳管が開口する。)
解説
✓ 1. 正しい
耳管が開口する。
耳管(咽頭鼓室管)は中耳の鼓室と咽頭鼻部(上咽頭)をつなぐ管で、咽頭側壁に耳管咽頭口として開口する。耳管は通常閉じているが、嚥下・あくびなどで軟口蓋挙筋や口蓋帆張筋の収縮により開放し、鼓室内の空気圧を外気圧と平衡させる。耳管開口部周囲には耳管扁桃が存在し、咽頭扁桃・口蓋扁桃・舌扁桃とともにWaldeyer咽頭輪を形成して上気道の免疫防御に寄与する。小児では耳管が短く水平走行するため、咽頭炎から耳管を介して中耳炎を合併しやすい(滲出性中耳炎)。したがって「咽頭に耳管が開口する」は正しい記述であり、上咽頭の代表的解剖である。
✗ 2. 誤り
咀嚼に関与する。
咀嚼は口腔内で行われる運動で、歯と咀嚼筋(咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋)によって食塊を粉砕・唾液と混和する過程である。咽頭は嚥下の通路であって咀嚼には直接関与しない。咽頭運動が担うのは咽頭相の送り込みであり、咀嚼とは明確に区別される。
✗ 3. 誤り
第4頸椎の高さで食道に移行する。
咽頭が食道に移行する高さは第4頸椎ではなく第6頸椎の高さである。輪状軟骨下縁と同じ高さで、触診で確認できる頸部のランドマーク。第4頸椎レベルは舌骨ないし甲状軟骨上縁の高さに相当し、食道移行部とは大きく離れている。
✗ 4. 誤り
咽頭筋群は舌下神経に支配される。
咽頭筋群は舌下神経ではなく、主に迷走神経(咽頭枝)と舌咽神経により支配される。舌下神経は名のとおり舌筋(外舌筋・内舌筋の大部分、口蓋舌筋以外)を支配する神経であり、咽頭運動は担わない。咽頭筋の神経支配と舌筋の神経支配を取り違える誤答に注意。
ポイント
  • 耳管は上咽頭(咽頭鼻部)側壁に開口し、嚥下・あくびで開放し鼓室圧を調節する。
  • 覚え方のコツ: 「咽頭=鼻部・口部・喉頭部」の3区分。耳管は鼻部、口蓋扁桃は口部、梨状陥凹は喉頭部と対応付けて記憶。
  • 関連知識: Waldeyer咽頭輪=咽頭扁桃(鼻部)+耳管扁桃(鼻部)+口蓋扁桃(口部)+舌扁桃(口部)による上気道リンパ組織輪。
  • よくある間違い: 咽頭筋の支配神経を舌下神経と誤答。咽頭筋=迷走神経+舌咽神経、舌筋=舌下神経と明瞭に区別する。
  • 臨床応用: 小児は耳管が短く水平走行で咽頭感染から滲出性中耳炎を合併しやすい。成長とともに耳管は長く傾斜し発症頻度は低下する。
比較表
咽頭区分 開口・構造
咽頭鼻部(上咽頭) 後鼻孔・耳管咽頭口・咽頭扁桃・耳管扁桃
咽頭口部(中咽頭) 口峡・口蓋扁桃・舌扁桃
咽頭喉頭部(下咽頭) 喉頭口・梨状陥凹(食道移行部)
解説画像
あマ指 第33回(2025) 問題18|咽頭について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第33回(2025) 問題18|咽頭について正しいのはどれか。
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