学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ B. 口腔(歯・舌・唾液腺) / Q0274

理由で解く 解剖学

Q0274 消化器系

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題19
問題
口腔内の構造について正しいのはどれか。
選択肢
1 軟口蓋は平滑筋からなる。
2 内舌筋は舌咽神経に支配される。
3 舌扁桃は口蓋垂の両側に位置する。
4 耳下腺管は口腔前庭の頬粘膜に開口する。
解答
正解4(耳下腺管は口腔前庭の頬粘膜に開口する。)
解説
✗ 1. 誤り
軟口蓋は平滑筋からなる。
軟口蓋は粘膜の内部に口蓋帆張筋・口蓋帆挙筋・口蓋垂筋・口蓋咽頭筋・口蓋舌筋などの横紋筋(骨格筋)を含み、嚥下時に挙上して鼻腔と咽頭を遮断する。平滑筋からなるとの記述は誤りである。
✗ 2. 誤り
内舌筋は舌咽神経に支配される。
内舌筋(上縦舌筋・下縦舌筋・横舌筋・垂直舌筋)および外舌筋はいずれも舌下神経(Ⅻ)によって運動支配される。舌咽神経(Ⅸ)は舌後1/3の味覚・一般知覚と茎突咽頭筋のみを支配し、舌筋は動かさない。記述は誤りである。
✗ 3. 誤り
舌扁桃は口蓋垂の両側に位置する。
舌扁桃は舌根の粘膜上に分布するリンパ組織で、分界溝より後方の舌根表面に位置する。口蓋垂の両側に位置するのは口蓋扁桃である(口蓋弓に挟まれた扁桃窩に見られる)。舌扁桃と口蓋扁桃の位置を取り違えており、誤りである。
✓ 4. 正しい
耳下腺管は口腔前庭の頬粘膜に開口する。
耳下腺管(ステンセン管)は腺体の前上部から出て咬筋の外側面を水平に走り、咬筋前縁で内方に折れて頬筋を貫き、上顎第2大臼歯に面する頬粘膜に開口する。頬粘膜は歯列弓の外側の口腔前庭を構成する粘膜であり、記述は正確である。唾液腺3対のうち口腔前庭に開口するのは耳下腺のみで、顎下腺・舌下腺は固有口腔側(舌下小丘)に開口する。したがって本肢が正解である。耳下腺管の走行は顔面神経頬筋枝と近接するため、顔面の外科的手術で重要なランドマークとなる。
ポイント
  • 耳下腺管は上顎第2大臼歯対側の頬粘膜(口腔前庭)に開口する。口腔前庭に開口する唾液腺管は耳下腺管のみ。
  • 覚え方のコツ: 口腔前庭=耳下、固有口腔=顎下・舌下。軟口蓋は「横紋筋」で嚥下時に能動的に動く。舌筋はすべて舌下神経(Ⅻ)支配。
  • 関連知識: 耳下腺は漿液腺、耳下腺管は咬筋外側面を走り頬筋を貫く。顔面神経本幹は耳下腺実質を貫通して5枝に分かれる。
  • よくある間違い: 軟口蓋を平滑筋と誤認/舌扁桃と口蓋扁桃の位置を混同/舌筋支配を舌咽神経と誤解。
  • 臨床応用: 流行性耳下腺炎(ムンプス)は耳下腺が腫脹し咀嚼時痛を生じる。耳下腺腫瘍の手術では耳下腺内の顔面神経温存が最重要となる。
比較表
構造 筋の種類/支配神経 位置
軟口蓋 横紋筋(口蓋帆挙筋・口蓋帆張筋ほか) 口蓋後方1/3
内舌筋・外舌筋 横紋筋/舌下神経(Ⅻ)支配 舌実質
舌扁桃 リンパ組織 舌根(分界溝より後方)
口蓋扁桃 リンパ組織 口蓋垂両脇(口蓋弓間)
耳下腺管の開口部 上顎第2大臼歯対側の頬粘膜=口腔前庭
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題19|口腔内の構造について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題19|口腔内の構造について正しいのはどれか。
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