学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ B. 口腔(歯・舌・唾液腺) / Q0273

理由で解く 解剖学

Q0273 消化器系

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題21
問題
舌の分界溝前に一列に並ぶのはどれか。
選択肢
1 糸状乳頭
2 茸状乳頭
3 有郭乳頭
4 葉状乳頭
解答
正解3(有郭乳頭)
解説
✗ 1. 誤り
糸状乳頭
糸状乳頭は舌背全体に密生する円錐状の小突起で、上皮が角化しざらざらした触感を与える。味蕾を持たず、ものをなめる際の機械的機能を担う。舌背一面に広がり、分界溝前に一列に並ぶ配列ではない。
✗ 2. 誤り
茸状乳頭
茸状乳頭は糸状乳頭の間に散在する丸味を帯びた乳頭で、上皮は角化せず桃赤色に見える。味蕾を側面に持つが、配列は散在性で一列に並ばない。舌尖や舌体前部に多く分布し、本問の条件に合わない。
✓ 3. 正しい
有郭乳頭
有郭乳頭は舌根寄りの分界溝のすぐ前にV字状に8~12個が一列に並ぶ大型の乳頭で、個々の乳頭が深い輪状の溝で囲まれる。側面の上皮には多数の味蕾が埋め込まれ、味物質は味孔から侵入して味細胞を刺激する。味覚を伝えるのは舌咽神経(Ⅸ)である。4種の舌乳頭のうち分界溝前に一列に並ぶのは有郭乳頭のみであり、本問の正解となる。8~12個という個数と「深い輪状の溝で囲まれる」構造、V字状配列は必出事項である。
✗ 4. 誤り
葉状乳頭
葉状乳頭は舌体後部の側面に垂直に走る数条の粘膜ヒダで、側面に味蕾を持つ。ヒトでは発達が悪く、ウサギなど草食動物では顕著である。側面にヒダ状に配列する形態で、分界溝前の一列配列ではない。
ポイント
  • 有郭乳頭は分界溝前にV字状一列(8〜12個)に並び、4種の舌乳頭で最大かつ味蕾を最も多く含む。
  • 覚え方のコツ: 舌乳頭4種を配列で記憶「糸=密生/茸=散在/有郭=V字一列/葉=側面ヒダ」。味蕾分布は「糸状以外の3種」にある。
  • 関連知識: 味覚伝達は舌前2/3=顔面神経鼓索神経、舌後1/3=舌咽神経、喉頭蓋付近=迷走神経。有郭乳頭は分界溝のすぐ前で境界を越えないため、その味覚は舌咽神経が担う。
  • よくある間違い: 有郭乳頭の個数(8〜12個)を混同/葉状乳頭の位置を舌根と誤認/糸状乳頭に味蕾があると誤解。
  • 臨床応用: 舌炎や鉄欠乏性貧血(Plummer-Vinson症候群)では舌乳頭の萎縮で舌が平滑化・光沢化する。味覚障害は亜鉛欠乏・薬剤性・神経障害で起こる。
比較表
舌乳頭 味蕾の有無 味覚を伝える神経
糸状乳頭 なし ー(味覚受容せず)
茸状乳頭 あり(舌前2/3) 顔面神経(鼓索神経)
有郭乳頭 あり(分界溝前) 舌咽神経
葉状乳頭 あり(舌体後部側面) 前方部は顔面神経、後方部は舌咽神経
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題21|舌の分界溝前に一列に並ぶのはどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題21|舌の分界溝前に一列に並ぶのはどれか。
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