学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ E. 胎児循環 / Q0173

理由で解く 解剖学

Q0173 循環器系

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題20
問題
胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
選択肢
1 臍静脈
2 下大静脈
3 上行大動脈
4 臍動脈
解答
正解1(臍静脈)
解説
✓ 1. 正しい
臍静脈
胎児は肺でガス交換を行わず、胎盤で母体血から酸素を受け取る。その酸素豊富な血液を胎盤から胎児に運ぶのが臍静脈で、胎児循環中で最も酸素飽和度が高い(約80%前後)。臍静脈血は静脈管や肝循環を経て下大静脈に合流し、以降は下大静脈血(全身から戻る低酸素血)と混合するため、臍静脈以降のどの血管も臍静脈より酸素分圧は低くなる。したがって最高酸素飽和度を示すのは臍静脈である。
✗ 2.
下大静脈
下大静脈血は臍静脈からの酸素豊富な血液と、下半身からの静脈血(低酸素)の混合血で、臍静脈単独よりも酸素飽和度は低下する。右房に戻る時点で約65〜70%程度となり、最も多くはない。
✗ 3.
上行大動脈
上行大動脈血は左房からの血液(卵円孔経由で下大静脈由来の比較的酸素に富む血液)を左室が拍出したものだが、肺からの還流血(胎児ではわずか)や混合が加わり、臍静脈ほど酸素飽和度は高くない。脳や心臓冠動脈へ優先的に供給される血液ではあるが、最高値ではない。
✗ 4.
臍動脈
臍動脈は胎児から胎盤に「老廃物を運ぶ」静脈血であり、胎児循環中で最も酸素飽和度が低い(約50%程度)。臍動脈と臍静脈の名称・機能が成人の動静脈と逆転する点(臍動脈=静脈血、臍静脈=動脈血)がよく問われる。
ポイント
  • 胎児循環で酸素飽和度が最も高いのは臍静脈(胎盤→胎児)。最も低いのは臍動脈(胎児→胎盤)。
  • 覚え方のコツ: 「胎児の臍静脈=動脈血/臍動脈=静脈血」と、成人と動静脈の意味が逆になることをセットで覚える。
  • 関連知識: 酸素飽和度は臍静脈 > 卵円孔経由の左房 ≒ 上行大動脈 > 下大静脈 > 下行大動脈 > 臍動脈の順。脳と心臓には比較的酸素豊富な血液が供給される。
  • よくある間違い: 臍動脈を動脈血と誤る/上行大動脈が最も酸素が多いと誤解する/下大静脈と臍静脈を混同する。
  • 臨床応用: 臍帯血の酸素分圧は分娩時のアシドーシス評価指標。臍動脈血pHは胎児機能の評価に用いられる。
比較表
血管 酸素飽和度の目安 性質
臍静脈 約80%(最高) 動脈血(胎盤→胎児)
下大静脈 約65〜70% 混合血
上行大動脈 約60〜65% 左室拍出、脳・心へ
下行大動脈 約55〜60% 動脈管合流後
臍動脈 約50%(最低) 静脈血(胎児→胎盤)
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題20|胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題20|胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
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